北極圏で寒中水泳大会

マルタ・ジェガリナ撮影

マルタ・ジェガリナ撮影

ロシアの北極圏で、史上初の世界寒中水泳選手権が行われた。外国からの参加者に、大会の感想や政治の影響などについて、ロシアNOWが聞いた。

 北極圏に位置するロシア・ムルマンスク市で20~22日、第1回「世界寒中水泳選手権」、第10回「ロシア・オープン冬季水泳選手権」が併催された。この二つのイベントに参加したのは、22ヶ国、約500人の選手。

 世界寒中水泳選手権1000メートルに出場したのは、15ヶ国、50人の選手。出場応募者数はこの4倍であったものの、残りの人は予選通過にはいたれなかった。寒中水泳の規則では、25分以内に1000メートルを泳ぎ切らなければ通過とはならない。一方で、ロシア選手権には、希望者全員が参加できる。

 

凍てつく1000メートル

 出場者のために用意されたのは、凍った湖の一角、25メートルの天然プール。ムルマンスク市ではここ数週間、比較的暖かい天候が続いていたため、観客席は安全のために湖岸に設置された。だが一転、大会当日は、北極的な厳しい天候になった。水温は零度ギリギリで、+1度を上回ることはなかった。また、しばしば吹雪にも見舞われた。

クレイグ・レンニング

 最初にスタートしたのは女性。全員が1000メートルを泳ぎ切れたわけではなく、途中で脱落する出場者もいた。1位はチェコのレナタ・ノヴァコヴァさん(17)。1000メートルを14分21秒82で泳ぎ、世界新記録を出した。男性の部ではドイツのクリシュトフ・ヴァンドラシュさんが世界チャンピオンになった。1000メートルを13分00秒52で泳ぎ、自身が昨年出した世界記録を更新した。

 ヴァンドラシュさんがムルマンスクに来たのは今回が初めてではない。昨年の夏に開催されたスポーツ・フェスティバル「ムルマンスク・マイル」に参加。コラ湾を泳いで記録を出し、優勝した。

 全体だけでなく、年齢別の入賞者もいる。45~49歳の部で1位になったのは、イギリスのハンプシャー州議会に勤めるキャサリン・フライヤットさん。恐れることなく、冷たい水の中に飛び込んだ。

 

政治とスポーツは関係ない

 フランス人のアレクサンドル・フュゼさんは、子どものころから水泳に夢中だった。これ以外にもジョギングやトライアスロンもやっていた。寒中水泳に初挑戦したのは数ヶ月前。「水や寒さと戦うのだから、これは一種の自分への挑戦。今回は私にとって初めての寒中水泳大会。ムルマンスクの人はすべてを見事にまとめていたね」とフュゼさん。

 アメリカ人のクレイグ・レンニングさんは、ムルマンスクほどの冷たい水の中で泳いだことはなかったそうであるが、35~39歳の部で2位になった。「最高の競技だったよ。アメリカとロシアの関係は今緊張しているけど、ここに集まってきたのはスポーツ好きばかり。経済制裁なんて我々には関係ないね」とレンニングさん。

 同じくアメリカ人のメリッサ・オレイリーさんは、30~34歳の部で優勝した。「地元の人が出場者を盛大に応援してくれたの。水中にいるのがロシア人でも、外国人でも、同じようにね」とオレイリーさん。