マリア・シャラポワの5つの事実

AP通信

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6月7日(土)、ロシアのマリア・シャラポワ(27歳)が、全仏オープンの決勝でルーマニアのシモナ・ハレプとの三時間におよぶ激闘を制し、二度目の「ローラン・ギャロス」そして五度目の「グランド・スラム」を獲得した。では、このスター選手の五つの横顔を紹介しよう。

リッチなガール 

 シャラポワは、「ローラン・ギャロス」での優勝によって賞金総額3100万ドルとなり、世界女子テニス界の賞金ランキングでは、アメリカのビーナス・ウィリアムズを上回ってビーナスの妹で賞金総額5500万ドルのセリーナ・ウィリアムズに次ぐ二位に浮上した。それだけの賞金を稼ぐまでに、シャラポワは、32のトーナメントで優勝した。 

 「同い年の人が高級車に乗っているのを目にすると、私は、自分の車は自分で買ったんだと悦に入ります。『あれはきっと父親がわがままな娘にレンジローバーを買い与えたんだ』といった冷たい視線を感じることもありますが、私は、『ちがうわ、これ自分で買ったのよ』って思います」

 

プランよりも無手勝流 

 マリアは、コーチのゲームプランに従わず、自分のプレーを省みず、本人も、それがコーチを苛立たせることを知っている。それは、有名なスウェーデン人コーチのトマス・ホルグステッドが去る原因となり、コーチは、教え子の気まぐれについていけずに三年にわたる実り多い師弟関係を解消し、2013年8月からは、男子の元世界チャンピオン(1974~1976年)であるアメリカ人のジミー・コナーズがシャラポワを指導している。

 「試合前にコーチとどんな話をしても、自分のやりたいようにプレーします。試合後にコーチから『いったい何を考えている? 俺なんか要らないわけ?』と言われると謝りますが、次もまたやりたい放題なんです」

 「最後に自分の試合をちゃんと観たのがいつ頃だったか思い出せないのですが、これは好くないことで、コーチもがっかりします。コーチとしては私にじっくり試合を分析して次に活かしてもらいたいんでしょうけれど、ほんの10分か15分で限界なんです。もちろん、勝利を反芻するのは愉しいですが、後ろを振り返っても始まりません。引退したらいくらでも観られますし…」 

 

じゃじゃ馬 

 シャラポワは、ジャーナリズムを好かない。度重なる記者会見や各種イベントへの参加や不断のインタビューは正直うんざりで、メディアに対してかなり語気を強めたりときにはキレてしまうこともある。

 「試合中に私が何のメモを取り出したかですって? 買物のリストのはずはないでしょう。テニスをしに来たんだから試合に関するメモなのはあたりまえでしょう?」

 「あなたたちがジャーナリストでこれがあなたたちの仕事であることは判りますが、ノートやペンや音量測定器(コート上のシャラポワの雄叫び〔雌叫び?〕は105デシベルでジェット機のエンジン音に匹敵する=編集部)なんか手放して、私が着ているものなんか気にせずに、一人のファンとしてゲームに見入ってください。他のことは一切忘れて…。そうすれば、きっとすてきな質問ができますよ」

 

全世界の平和のために 

 シャラポワは、2007年2月に国連の親善大使に任命され、世界の焦眉の問題へ人々の目を向けさせるべくその知名度を活かしている。彼女がとくに気に懸けているのは、アフリカの水不足、途上国の麻薬依存、地域の自然破壊といった問題だが、国連での最初の記者会見ほどストレスを感じたことはなかったという。

 「冷や汗たらたらでした。今日のフォアハンドは云々というのとは次元がちがい、『戦争と貧困をなくすには何をすべきでしょう?』なんて訊かれて面喰いました。自分のフォアハンドの話ならいくらでもできたのですが…」

 

シベリアっ子 

 マリア・シャラポワは、ニャーガニというシベリアの小さな町の出身で、一年のほとんどを遠征先で過ごしているものの、自分のルーツに誇りを持っているという。

 「シベリアっ子というのは大きな誇りで、コートで『ロシア出身』ではなく『シベリア、ニャーガニ出身』とアナウンスされると思わず嬉しくなり、『おお~』というどよめきがスタンドを駆け巡るその瞬間は、『ローラン・ギャロス』優勝とか世界ランキング一位とか言われるよりもずっと誇らしく感じますね」

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