アクロバット、火の鳥、砕氷船

クリスチナ・ボガチェワ撮影

クリスチナ・ボガチェワ撮影

3月7日金曜日夜、ソチの五輪スタジアム「フィシュト」で、パラリンピックが開幕した。もっとも、開幕式のプロデューサーが意図したメタファーのすべてが外国人の観客に分かったわけではなかったが。ロシアNOWの記者が壮大なセレモニーの印象をまとめた。

 ロシア初のパラリンピックが38日夜に開幕した。セレモニーの規模と華麗さは、我々がこの同じスタジアムで27日に目にしたソチ冬季五輪のそれに劣らなかったが、ある種の叙情性が特徴になっていたようだ。

 「フィシュト」にロシア民話の「火の鳥」が現れ、成功を運んでくると、やがてそれが、人間たちが旋回する雪嵐になり、そのなかで大人たちも少女たちも踊る。彼ら一人ひとりの軽やかさにもかかわらず、みんなが一緒になると驚くべき力を発揮できるというメッセージだ。

 

クリスチナ・ボガチェワ撮影

あの船は何?

 開幕式には、2500人のボランティアのほか、1千人以上のアーティストが参加したが、その多くが障害者だった。彼らが見せてくれたアクロバットは、プロデューサーらによると、障害を抱えたスポーツマンたちがいかに転倒しやすいかを表したものだという。彼らは倒れることを恐れず、たとえ転んでもすぐに立ち上がり、前進する

 開幕式のクライマックスは、砕氷船「ミール(平和)」の出現。これは、パラリンピック運動を象徴し、障害者に関する無理解と強固な偏見の「氷」を砕こうとする。

 しかし、後で判明したところでは、こういうメッセージはすぐにみんなに理解されたわけではなかった。アメリカから来たジョージさんは、「舞台を動いてくるのが砕氷船とはすぐには分からなかったし、それが何を意味しているのかも、後でプログラムに載っている説明を見るまでは、ちんぷんかんぷんだった」と語った。

 一方、ロシアの観客たちは、選手が行進しているときに流れた音楽を大いに楽しんだ。最も人気のあるロシア映画のメロディーが使われたからだ。外国人たちも、セレモニーのビジュアルな部分を堪能した。

 「とくに、ステージに、『ヴメスチェ(ロシア語で一緒)』とtogetherの文字が現れたときは、忘れられない印象を受けた。あとステージを大きな透明な球が転がってきたときも」。メリーさん(イギリス)はこう感動の面持ちで話してくれた。

 

クリスチナ・ボガチェワ撮影

今だから話せること

 カーチャさん(イジェフスク出身)とクシューシャさん(バルナウル出身)は、現在ベルリンで学んでいる。今日彼女たちは、選手行進のときに国名を記したプラカードを持った――カーチャさんは韓国の、クシューシャさんはスロバキアのプラカードを。それから彼女らは、あるシーンで踊りも披露した。ちなみに二人は、223日のソチ五輪閉会式にも出演している。

 二人がボランティアに応募したのはもう1年半前のこと。それから、一連の面接、キャスティングを経て採用されると、セレモニーに関する情報は一切他に漏らさないという誓約書を書かされた。

 しかし、セレモニーが終わりすべての秘密が明らかになった今では、楽屋裏を話すことができる。例えば、ホッキョクグマが泣くリハーサルを何度か目にしたこととか、五輪閉会式での、5つ目の輪がすぐに開かない演出を承知していたこととか。彼女らによると、この演出は実際、開会式で技術的な問題で五輪が開かず四輪になった、その後で決まったそうだ。

 二人は、インタビューが終わると急いで帰宅した。「今日テレビで私たちをアップで映してくれるんだって。セレモニーの中継が楽しみ」

 競技は39日に始まり、最初の優勝者が決まる。聖火は、316日の閉会式まで燃え続ける。

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