トリノ五輪の金メダリストであるエフゲニー・プルシェンコは、ソチのオリンピック・アイスパレス「アイスバーグ(氷山)」で火曜日に開幕したロシア選手権で、前半のショートプログラムを終えた時点で首位に立った。
31歳のプルシェンコは、映画「ムーラン・ルージュ」のタンゴをバックに、4回転と3回転のトゥループのコンビネーションを含む自身の新しいショートプログラムのエレメントをミスなくこなし、98,42というひじょうに高い得点を獲得し、19歳の新星マクシム・コフトゥン(93,08)と経験豊富なセルゲイ・ヴォロノフ(89,10)を抑えた。
「誰も私を信じていなかった」
11月7日、エフゲニー・プルシェンコは、リガでのボルボオープンカップのショートプログラムに出場し、82,34という得点で首位に立った。それが、1月のザグレブでの欧州選手権での怪我から復帰して初めての公式戦となった。この間、プルシェンコは、脊椎の手術を受けて、何ヶ月も練習を休んでいたが、ボルボオープンカップでは、世界のシーズン最高成績の一つとなる263,25という高い総合得点をマークした。
滑走後、プルシェンコは、コメルサント紙の記者にこう語った。「今日の演技には全体として満足しています。考えていたことがすべてできましたから。何といっても、私にとってとくに大事だった4回転と3回転のトゥループのコンビネーションですね。もっと磨きをかけなくてはならない唯一のもの、それはスピンです」
プルシェンコは、ザグレブでの欧州選手権で大怪我をしたものの、オリンピックへ向けた準備は順調に進んでいる、として、こう述べた。「誰も私を信じていませんでした。でも、私は、怪我から復帰してすでに二回目の大会に臨んでおり、今シーズンはまずまずのスタートを切れたと思っています。私はとても強いんです。大きな手術や怪我のあとにどう練習すればいいか分かっており、マイペースで歩んでいます」
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自分との戦いあるのみ
プルシェンコは、また、ライバルたちの成功は気にしない、として、こう述べた。「アレクセイ・ヤグディンと張り合っていたときもありましたが、そのときから私は戦術を変えました。負けたくないのはみんないっしょですから、周りを気にするのではなく、自分で励むしかないのです」
プルシェンコのコーチであるアレクセイ・ミシンは、ロシア選手権でのプルシェンコの 演技を高く評価し、こう語る。「今回がシーズン二度目の出場とは思えないじつに見事な滑りを見せてくれました。こんなにきめ細かく滑ったことはありません。精神的にも、2010年のバンクーバー五輪ばかりでなく2006年のトリノ五輪のときと比較しても、一回り成長したと思います。得点はあまり気にしていません」