ミハイル・プロホロフ、オレグ・チニコフ、ロマン・アブラモビッチ、ドミトリー・ルィボロヴレフ=コラージュ:ロシアNOW
チニコフ氏が取締役会長を務めるロシアの投資銀行「チニコフ・クレジットヌィエ・システムィ」は、これまでもチームのサブスポンサーだった。チニコフ 氏がチームを買収したことを公表したのは、「チーム・サクソ・チニコフ」のビャルヌ・リース監督。来シーズンからはチーム名も「チニコフ・サクソ」に変わ る。「私にワールドツアーのチームがあって、世界最高の選手であるアルベルト・コンタドールがいることをとても誇りに思う。今後の成功が待ちきれない」とチニコフ氏。
世界最高クラスのスポーツ・チームを保有しているロシア人ビジネスマンは、他にも存在している。中でも知名度の高い人物3人をここにあげる。
「チェルシー」のロマン・アブラモビッチ
スポーツ・クラブの獲得をロシアで流行させたのが、オリガルヒ(新興財閥)であるロマン・アブラモビッチ氏。2013年7月で、イングランドのサッカー・クラブ「チェルシー」の買収後10年目を迎えた。チェルシーは当時、イングランドのプレミアリーグの平凡なクラブで、目立つ選手も少なく、経営状態 も良くなかった。
アブラモビッチ氏はイングランドのプレミアリーグとしては少額の1億4000万ポンド(約240億円)でチェルシーを買収し、すぐに1億ポンド(約 170億円)以上を費やして選手を獲得していった。10年で費やした移籍金は10億ポンド(約1700億円)近くになり、さらに選手や監督の年俸や新たな 練習場の建設にも10億ポンド(約1700億円)以上を支払った。
ジョゼ・モウリーニョ監督が指揮をとっていた2004年から2007年まで、クラブはより安定した成績をだし続けた。アブラモビッチ氏はモウリーニョ氏 がイタリアのサッカー・クラブ「インテル」に移った後、ベテランのカルロ・アンチェロッティ氏やフース・ヒディンク氏を含む、さまざまな指導者を次々と入 れ替えたが、誰もその希望には添わなかったため、2013年7月に再びモウリーニョ氏を呼び戻した。
アブラモビッチ氏がオーナーになってから、チェルシーはプレミアリーグで3度優勝し、FAカップで4度優勝し、黒字になり、さらに世界でもっとも資金力 のあるクラブのランキングでは、「レアル・マドリード」、「バルセロナ」、「マンチェスター・ユナイテッド」、「バイエルン・ミュンヘン」に続く5位に浮上した。
「ブルックリン・ネッツ」のミハイル・プロホロフ
オリガルヒで2012年の大統領選に出馬したミハイル・プロホロフ氏は、2010年5月、アメリカのバスケットボール・チーム「ニュージャージー・ネッツ」の80%を買収した。プロ ホロフ氏はアメリカ・プロバスケットボール協会(NBA)の下位のチームを最強にすると約束し、スポーツの指標、経営の指標を2010年より高めた。 2011年9月、ブルックリンでバークレイズ・センターを開業し、チームの本拠地をニューヨークに移し、名称を「ブルックリン・ネッツ」に変え、異なる チーム・カラーにした。新しいアリーナができたことで、ホームの観客動員数は53%増加し、テレビの視聴率も上昇した。チームはファンも順調に増やしている。ニューヨークでもっとも人気のあるチームは依然として「ニューヨーク・ニックス」だが、ネッツは成績を上げながら、ニックスを急追している。
プロホロフ氏はチームの成功のために、前代未聞の額の投資を決定し、ケビン・ガーネット、ポール・ピアース、ジェイソン・テリー、アンドレイ・キリレン コなどのスターを獲得。今シーズンは年俸に1億300万ドル(約103億円)を使う。この獲得に込める期待を、プロホロフ氏は明言した。「チームがチャン ピオン争いに勝利した時にようやく誇りに思うだろう。私にとって順位は一つ。1位だけだ」
「モナコ」のドミトリー・ルィボロヴレフ
モナコ公国のサッカー・クラブ「モナコ」を買収したのは、アメリカの経済誌「フォーブス」の長者番付で100位以内に入った、近年話題性の高いオリガルヒのドミトリー・ルィボロヴレフ氏。2011年12月の契約時点で、モナコはフランスのリーグ・ドゥに所属していた。ルィボロヴレフ氏は買収の目的とし て、「モナコ」を再びヨーロッパのエリートにすることだと話した。
「今後4年間で1億ユーロ(約140億円)以上」投じることを宣言し、有名なイタリアの専門家であるクラウディオ・ラニエリ氏を監督に迎えた。2013年夏の移籍市場で は大胆な動きを見せ、スペインのサッカー・クラブ「アトレティコ・マドリード」からフォワードのラダメル・ファルカオ選手を獲得した他、ポルトガルのサッ カー・クラブ「ポルト」からミッドフィールダーのハメス・ロドリゲス選手とジョアン・モウティーニョ選手を獲得した。
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