ソチ冬季五輪のボランティアを希望し申し込んだのは18万人超=ロシア通信/ミハイル・モクルシン撮影
アントン・ボロホフさん、宅配業
アントンさんは普段、宅配業に従事しているが、彼には、チーム・リーダーの素質がある。そのため、ボランティア・チームを指揮することになった。
「私はボランティアが好きで、人助けをしながら、色んな経験を積んでいます。今回は、私はモスクワに残って、ブヌコボ空港で、他の国からやって来るボランティアたちを出迎えます。パスポート・コントロールや税関を通過する際に、何か問題が出てきたら、助けるんです。例えば、荷物がどこかへ行ってしまったとかね。
ソチ五輪では、大イベントを運営する経験が得られます。新しい友達や知り合いもできるし、外国語もブラッシュアップできますね。もちろん、選手、コーチと交流できるのも面白いです。外国で何が、どんな風に起きているのか、どんな暮らしをしているのかも分かります。我々が彼らを出迎えるわけですから、飛行機に乗るまでの間、暇つぶしに、座ってじっくり話ができるでしょう。
選手たちはクタクタになってロシアに到着するので、そのまま空港の床に寝てしまう人もいます。搭乗時間まで2~3時間ありますから。彼らだって、私たちが何を好きこのんでボランティアをやるのか、興味をもつんじゃないですか。もし聞かれたら、こう答えます。『ボランティアが好きなだけですよ』ってね」
アリョーナ・クラフツォワさん、学生
ウラル山脈南麓のオレンブルク出身のアリョーナさんは、モスクワ大学で分子生物学を学んでいる。タンパク質のモデル化、DNAの解読、新しい抗生物質の開発などが将来の仕事になる。
「オリンピックに参加できるなんて最高。おまけにロシア開催だし、こんなチャンスは滅多にありません。私の担当は、パラリンピックで、競技会場に入る人のアクレジテーションを確かめるだけです。仕事中はホッケーを観戦できるし、選手とも知り合いになれるし、役得ですね。スポーツ関連のビジネスをやりたい人にとって五輪は、必要な人たちと知り合いになる素晴らしいチャンスです。パラリンピックのテスト・イベントで、ある青年が、何とIOC会長と知り合いになっちゃって、スイスでの仕事をオファーされたとか」
アンナ・カレロワさん、大学院生
アンナさんは、ボランティアのモチベーションについて、学位論文を書いているほか、マトリョーシカの彩色のワークショップも主宰している。
「私にとって一番大切なのは人との交流です。私は、モスクワのボランティア発展センターに勤務し、多くの社会、スポーツ・イベントに携わってきました。それで、こんなビッグイベントは見逃せないと思ったのです。多分私は、ポーランドとベラルーシの団体を駅で出迎えるボランティアのために、ガイダンスを書くことになるでしょう。私はいつか自分の子供たちに、ママは五輪のボランティアだったんだよ、って話して聞かせることを想像します。そして、子供は私を誇りに思ってくれると、100%確信しています」
リリア・サマムベトワさん、学生
リリアさんは言語学を専攻しており、既に3ヶ国語を知っている。彼女はずい分前から、語学を武器に、スポーツ・イベントでボランティアをしてきた――ソチのテスト・イベントでも、カザンのユニバーシアードでも、7人制ラグビーのW杯でも、世界陸上でも、そしてモスクワの聖火リレーでも。
「ソチでは、『スノーボード・パーク』で働きます。私の仕事は、会場での観客相手の様々なサービスです。セキュリティーの通過とかチケットの確認とか。私に興味があるのは何と言っても雰囲気です。世界的なイベントですからね。それにチームワークの経験も得られるし。もし、お金のために働くんだったら、こんなに献身的になれないと思います。気分も全然違うだろうし。外国のボランティアと比べても違いますね。ロンドン五輪では、お年寄りのボランティアが多かったですが、ロシアでは8割が18~23歳の若者です。私たちの世代が白けてない証拠ですね」
アレクサンドラ・グパルさん、学生
アレクサンドラさんは、カザンのユニバと、ソチのテスト・イベントに2度参加した。そして今度は五輪とパラリンピックへ。彼女はラッキーだった。彼女の専門は、労働力としての若者の組織・運営なので、ちょうどいい実習になる。
「私は何によらず、市民としての義務を果たすよう努力しています。孤児院を訪れたり、献血したり、お年寄りの手助けをしたり。これは私の選択であり、ポリシーです。2年ほど前に、ソチのテスト・イベントに誘われ、雰囲気も、そこで働いている人たちも、とても気に入りました。ボランティアは国のイメージを創ると思います。外国からの五輪の参加者が最初に目にするのはボランティアたちなので、かなりの部分彼らでイメージが決まります。彼らこそが、国の良い面をアピールできるのです。ロシア人は、親切で、フレンドリーで、笑顔で客を歓迎するんだな、って思ってもらえます」
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