美しいキック・ボクシング選手

現代世界においても、美しい女性が激しい格闘技をしていることは信じがたい。タイ式ボクシングのロシア・チャンピオン、アナスタシア・ヤニコワさんは、このイメージを破ろうとしている。

 -こんなに素敵な女性が格闘技を始めたきっかけとは何でしょうか。

 子供の頃から憧れがあったんです。ブルース・リーや他の強い男性の映画を見るのが好きで、自分もこんな風に強くなって人助けができたらいいなと(微 笑)。母にいつも「こうなれるように誰かに教えてもらいたい」とせがんでいました。母は根負けし、私を空手教室に入れてくれました。そこでは数年学びまし た。

 

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 -その後はどうされたのですか。

 14歳の時に自分の進路について考えたのですが、ずっと興味のあったジャーナリズム、芝居、デザインという選択肢の中で、デザインを選んだのです。絵を たくさん描いて縫い物をし、スポーツは趣味にとどめました。その後フィットネス・クラブに入ってタイ式ボクシングのコーチと出会い、練習を初めたのです が、私は「これがやりたかったんだ!」と思いました。少しの間続けてからタイ式ボクシング・クラブ「ヴァリャク」を見つけました。このクラブは私をすぐにロシ ア・カップに参加させてくれましたが、私は誰もが予想しなかった勝利をそこで遂げたのです。

 

 -スパーリングの練習相手は男性ですか。

 「ヴァリャク」で練習する時はそうです。ただ現在はアレクサンドル・ポゴレロフのボクシング・アカデミーでトレーニングしているので、練習相手は女性で す。エカチェリーナ・イゾトワという人ですが、とても強く、多くの男性に勝っています。何度も世界チャンピオンになった人です。私より体重は少し軽いので すが、すごい技術があっておもしろい人なので、練習相手として、また先生として、理想的です。

 

 -憧れのスター選手はいますか。

 ジーナ・カラーノはすごい選手です。一番強くて、すべての点で優れています。圧倒的存在感のあるエメリヤーエンコ・ヒョードルのようです。エメリヤーエ ンコは何と言っても“皇帝”で、今後もそれは変わりません。あとはマイク・ザンビディスです。この選手の試合を見ていてあきること はないですね。

 

 -人生の中で自分より弱い男性と会ったことはありますか。

 街を歩いているとそういう人を結構見かけますね(笑)。以前は男性がバーベルを持つのを手伝っていましたが、今はそのようなことはありません。人生の中 でさまざまな人と出会いますが、みんなに胸の高さから150キロのバーベルを持ち上げろとは言いません。強さや男性の力とはそういうものではないからで す。でもすごくひ弱な男性がいたらがっかりです。ジャスティン・ビーバーみたいな人には魅力を感じません。

 

 -たくさんタトゥーがありますね。昔から好きだったんですか。

 一番新しいタトゥーは龍に変身する鯉の滝登りです。タトゥーとは美で、それぞれの絵が人生の道のしるしなのです。例えば私は息子にこんな話をします。 「これは鍵よ。極真会をつくった大山倍達が夢に出てきてこの鍵をママにくれたの。そして『あなたはこの鍵ですべての扉を開くだろう』って言ったの。あーこ の鍵をなくしちゃいけないって思って、足に残したのよ」。

 

 -総合格闘技をやってみたいとは思いませんか。

 興味があります。ずっと前からの夢でおもしろいと思ってたし、私は闘うことも好きですし。ただこれをやるならゼロから始めなければいけません。体への負荷も練習も違いますから。

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