『天才バレエダンサーの皮肉な運命』=
写真提供:kinopoisk.ru10月31日、第29回東京国際映画祭で、ロシア映画『天才バレエダンサーの皮肉な運命』が上映された。若手のアンナ・マチソン監督は、この映画で、天才的だが気難しいダンサー、アレクセイ・テムニコフの運命を描いている。映画は好評をもって迎えられ、上映中に何度も拍手が鳴り響いた。
主役を演じたのは、ロシアの人気俳優セルゲイ・ベズルコフ。彼は何よりドラマティックな役柄の演技で知られ、これまで映画では、詩人セルゲイ・エセーニン、シンガーソングライターで俳優のウラジーミル・ヴィソツキー、詩人アレクサンドル・プーシキンなどを演じている。
そのため、上映後のQ&Aでは、いったいどうやってダンサーの役をこなせたのかという質問に答えねばならなかった。「私は、演劇大学でも、モスクワ芸術座のスタジオでも、ダンスを習いました。すごく一生懸命勉強しただけですよ」。ベズルコフは笑顔で説明した。映画の筋だが、主人公は重苦しい傲慢な性格の持ち主。周りの人々は、彼に対して実に様々な感情を抱いている――盲目的な愛、崇拝、その才能への限りない尊敬から、怒り、憎しみ、妬みにいたるまで。 だが、彼にとって人生で一番大事なのはバレエだ。ベズルコフは、自分が演じた主人公は「嫌なタイプだった」と言い、実際の自分はこの男に全然似ていないと付け加えた。
「私はとても感謝しています。日本は、驚嘆すべき、あり得ないような国です」。ベズルコフは、上映後、観客に向かってこう話した。
東京国際映画祭でロシア映画が上映されるのは2年ぶりのこと。2014年に、アレクサンドル・コット監督による、カザフスタンの核実験を題材とした『草原の実験』が、二つの賞――最優秀芸術貢献賞とWOWWOW賞――を受賞している。
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