コンスタンチン・スタニスラフスキー=
ロシア通信刊行:2016年4月
レオニード・アニシモフ 著
遠坂創三 上世博及 訳
未知谷 刊
四十年来スタニスラフスキーに私淑した演出家が、そのシステムの本質について語る。スタニスラフスキーは、創造する能力を持つのは人間自身ではなく、人間が本来持っている「自然」だと説く。本書では人間やその創造活動を植物に喩え、人間のさまざまな意識、精神の在り方、創造や運の在り方などが木の挿絵を用いて説明される。人間の中にある土壌を肥やし創造の種をはぐくんでゆく際、大切なことは、精神を浄化し、質を高め、忍耐し、献身し、子供のように無邪気でいることだ。そのような礎の上に意識的な鍛錬を重ねることによって、人が本来持っている創造の泉が湧き出でる。芸術を目指すすべての人に読んで欲しい一冊だ。(安達紀子・早稲田大学講師)
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