戦争をテーマにしたアレクセイ・ゲルマン・ジュニア監督の『エア』が第36回東京国際映画祭(10月23日〜11月1日)のコンペティション部門で上映される。コンペティション部門には114の国と地域から、1942本の応募があり、そのうち厳正な審査を経た15本が上映される。
『エア』は第二次世界大戦中の独ソ戦で戦った女性パイロットの部隊について描いた作品。女性兵士たちは全員若く、戦争がどのようなものなのかをまだ理解していなかった。
アレクセイ・ゲルマン・ジュニア監督は、「わたしたちにとって重要だったのは、深くて、エモーショナルで、興味深い映画を作ることだけでなく、戦闘機の中にいるパイロットたちの気持ち、飛行場の様子、心の誠実さなどの真実性をスクリーン上で最大限に伝えることだった」と述べている。
映画の撮影には3年が費やされ、ロケは、サンクトペテルブルク、レニングラード州、サラトフ州、ノヴゴロド州、カレリアなどで行われた。撮影では、ソ連軍とドイツ軍の野戦飛行場、レニングラードの封鎖当時のエルミタージュ美術館の内装、廃墟と化したスターリングラードの街、原寸大の戦時の戦闘機など多くのものが再現された。また空中戦の撮影では、ロケで俳優たちが本当に負荷を感じることができるような特別な設備が用意された。