1. ヴィクトル・ヴァスネツォフ『灰色の狼に乗ったイワン王子』(1889年)
ヴィクトル・ヴァスネツォフは特に民話の挿絵で有名だった。彼のお気に入りの一つだった民話が『イワン・ツァレーヴィチと火の鳥、灰色の狼』だ。この絵ではイワンが英雄らしく魔法の狼に乗って悪の力から美女エレーナを救い出す場面が描かれている。
2. カルル・ブリュローフ『窓外にキスを投げる女』(1826年)
この画家は長くイタリアで活動した。おそらく彼がイタリア時代に描いた最も有名な作品は大作『ポンペイ最後の日』だが、彼はイタリアの生活を写した風俗画も残している。特に女性の絵が多く、そこでは女性がブドウを収穫していたり、朝に入浴していたり、見知らぬ人にキスを投げたりしている。
3. イリヤ・レーピン『試験勉強』(1864年)
ロシアで最も有名な画家イリヤ・レーピンのこの作品には、一見すると恋愛の要素はない。しかし、よく見てみよう。2人の士官候補生が試験勉強をしている。陽は照っているが、彼らはきっと疲れているのだろう。一人は寝ている。もう一人は勉強せずに隣の窓の女性にキスを投げている。なんとロマンチック。
4. ニコライ・ヤロシェンコ『ブランコに乗って』(1888年)
ヤロシェンコは移動派と呼ばれる写実主義画家らの一人だった。彼らは規範や規則に従って絵を描くことを拒否し、ロシアの田舎の日常生活を写し取ることに集中しようと決めたのだった。この絵は祝祭日にブランコに乗る男女を描いている。女性は内気な家政婦で、軍人に言い寄られている。
5. コンスタンチン・ソモフ『恋人。夕べ』(1910年)
コンスタンチン・ソモフは帝政ロシア初の官能画家であり、スキャンダラスな画家という評判だった。おそらくソモフの最も有名な作品は『公爵夫人の本』だ。これは18世紀フランスの官能的な文章を集めたもので、ソモフが手掛けた性的な内容の挿絵は現代の基準でもポルノに分類し得る。
6. クジマ・ペトロフ=ヴォトキン『若さ(接吻)』(1913年)
きっとこの画家は『赤い馬の水浴』の作者として有名だろう。彼は戦争やソビエト市民の生活、革命、指導者レーニンの肖像も描いている。しかし、彼はまた非常に自然主義的な方法で人間真理を探究していたのだった。
7. マルク・シャガール『誕生日』(1915年)
ロシア帝国に生まれフランスで活躍した画家は、とにかくキスと恋人たちを描いた。彼の象徴的な作品『街の上で』を見てみよう。描かれているのは、彼の生まれ故郷のヴィーツェプスクを飛ぶ恋人たちだ。『誕生日』では同じ男女が描かれている。画家自身と愛妻である。ここでもまた、彼は文字通り愛で舞い上がっている。
8. コンスタンチン・ユオン『イースターのキス』(1920年)
ユオンは有名画家ワレンチン・セローフの弟子だった。彼が描いたのはロシアの田舎の美と魅力、教会や金の丸屋根、正教会の祝日で幸せな時を過ごす民衆の姿だった。ちょうどこの2人のように。
9. ユーリー・ピーメノフ『叙情的な新居祝い』(1965年)
ユーリー・ピーメノフは、プロパガンダの要求通りソビエト生活をバラ色に見せる社会主義リアリズムの主要な画家の一人だった。彼の芸術の主な題材は「雪解け」の時代とともに到来した「より良い新たな生活」だった。この作品は男女がついに自分たちだけのアパート部屋を手に入れたことを表している。おそらく数世帯共用の共同アパートから転居してきたのだろう。ついに好きなだけキスができる空間を手に入れたのである。
10. ヴィクトル・ポプコーフ『二人』(1966年)
彼もまた社会主義リアリズムの画家だが、労働者や兵士など、見るからに厳しく残酷な人生を歩んできた真のソ連邦英雄たちを描いた彼の作品は、ソビエト芸術の中でもいわゆる「シビアなスタイル」に分類される。この絵はとても深い心理的な一瞬を捉えている。2人はきっと複雑な関係にあり、彼らの沈黙は言葉よりも多くのことを語っている。