ロシアの7種類の伝統家屋

Legion Media
 ロシアでは多くの民族と文化が共存している。そのため、簡素な伝統的な家屋も、「イズバ」から「イグル」まで様々なものがある。

1. イズバ(ロシアの丸太小屋)

 ロシアのイズバの歴史は古いが、今でもロシアの農村地帯や都市部の郊外に建てられている。

 イズバは、四角いフレーム状に丸太を組んで、重ねていく。その際に釘は使わず、斧だけを用いる。ロシアのペチカ(暖炉)は、イズバの核心部分といっていい。家を暖める以外に、調理をする場所でもあり、暖かい寝床にもなる。さらに家霊「ドモヴォイ」が住む場所でもある。

 ロシア北部のイズバは、中央ロシアよりもはるかに大きい。家の中にすべての施設があるので、厳冬期にも屋外に出る必要がない。

2. イグルー(ロシア語では「イーグル」)

 イグルーは、エスキモーまたはイヌイットの伝統的な住居だ。ロシアのイヌイットの人口は、17万人以上で世界最大となる。彼らは主にチュクチ自治管区に住んでいる。

 イグルーは、圧雪ブロックでつくられ、およそ直径4㍍、高さ2。雪は空気を閉じ込めるので、断熱材となる。入り口は床より低いため、暖かい空気を保ちながら二酸化炭素を排出させる。

  イグルーの床は、動物の毛皮で覆われることもある。容器に油を入れて燃やすことで、室内を暖めることができる。イグルーはとても快適だ。ロシアの極東にはイグルーのホテルさえある。

3. チュム(円錐形の移動式家屋

 チュムは、ウラル・アルタイ語族の遊牧民(ネネツ、ハンティ、マンシ、コミなど)が、トナカイといっしょに移動する際に使われる。簡単に言えば、直径約4〜5㍍のロシアの移動式家屋だ。

 チュムは、木の柱を立て、周囲にトナカイの皮を張ってつくる。木柱の上部をつなぐので、円錐状になる。暖炉は真ん中に設けられ、家屋の上部には排煙出口がある。床は毛皮で覆われる。

 遊牧民たちの信じるところでは、チュムを組み立てるときには、幼児も含めて家族全員が参加しなければならない。

4. ヤランガ

 これは、チュクチ、ユピク、コリヤク、ユカギールなどのシベリア先住民がつくる伝統的な移動式家屋だ。チュムよりも大きい(最大で高さ5㍍、直径8㍍ほど)。
 ヤランガは、木の柱で組まれ、壁と天井は、最高で約50枚のトナカイやセイウチの皮を張ってつくる。内部にはさらに、イオロンガと呼ばれる部屋も設けられる。毛皮と乾草を断熱材に使っており、厳冬期には、ここで暖かく過ごせる。

5. ユルト(ユルタ)

 ユルトも、チュムやヤランガに似た移動式家屋だが、はるかに大きく複雑な構造をしている。主にシベリアとバイカル湖周辺の先住民が用いる。

 ユルトはふつう、あまり高さはない。草原の強風から保護するためだ。壁は、折りたたみ可能な骨組みでつくられ、布で覆う。ユルト独特のドームは、柱で形作られている。やはり上部には排煙出口となる開口部がある。暑いときは、壁の布を上げて、新鮮な空気を入れる。内部は、夫と妻のために、二区画に仕切られている。

6. アイル

 アイルは、アジア中心部のアルタイ地方でだけ見られる木造住宅で、ロシアのイズバとは若干異なる。やはり丸太を組んでつくるが、6つ、時には8つの壁があり、毛皮や樹皮で覆われる。また、ユルトのように、内部が2つに仕切られている。

 イズバとの主な違いは暖炉だ。小屋の真ん中にあり、煙は屋上の穴から出る。伝統的に、床は土間となっている。

7. サクリャ

 サクリャは、北カフカスの先住民が使用する。土台を築かず、岩場に建てるので、他のタイプの住居とは異なる。壁は粘土でできており、富裕な住民のサクリャでは、床は木製の板で覆われる。暖炉は、ユルトと同様に、真ん中にある。山間部の強風から守るため、屋根は平らで、家の高さは低い。

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