モスクワで必見の1917年ロシア革命展示会

 ロシア国内や海外で、ロシア革命100周年が広く祝われている。知られざる事実を伝える映画、講演会、オンライン・プロジェクト、演劇、公開イベント、広く知られている当時のできごとへの新しい解釈などが、そこにはある。モスクワで開催されるあの激動の時代に関する展示会の中でも、特に興味深い展示会をここにあげる。

「蔡国強 10月」展

プーシキン美術館

 モスクワで今年最も待望された美術イベントの一つが、中国の現代美術家、蔡国強の感性を通したロシア革命の展示会。大きなキャンバス、小さな作品、動画アートのインスタレーションが、特別に制作された。キャンバスに火薬を注いで燃やすのが、蔡国強の技法。

 この展示会では、完成作品だけでなく、スケッチやドラフトも初公開される。蔡国強は、赤い星、マレーヴィチの作品の再解釈、最も認識度の高いソ連のシンボルである鎌と槌の巨大なライ麦パネルなど、さまざまな象徴的かつ強力なイメージを、モスクワのためにつくりあげた。

 プーシキン美術館の建物の外からすでに、蔡国強の世界が始まっている。市民が寄付した乳母車などの重なった大きなインスタレーション「秋」と、そこから生える白樺。子どもの夢の暗喩、乳母車が階段を転がり落ちるシーンで有名なセルゲイ・エイゼンシュテイン監督の映画「戦艦ポチョムキン」の暗示の両方である。

 開催期間は11月12日まで。観覧券などに関する詳細情報は公式ホームページ参照のこと。

 

「ある人1917」展

トレチャコフ美術館(クルィムスキー・ヴァル)

ボリシェヴィキ (1920年)、ボリス・クストーディエフ画

 ロシア美術品の所蔵数がモスクワ最多の美術館。ロシアや外国の美術館(フランス・パリのポンピドゥー・センター、イギリス・ロンドンのテート・モダンなど)の傑作120点が、この100年展のために集められた。1917年作の絵画を展示しながらも、ロシア革命の大混乱を驚くほど反映していないという、珍しいアプローチ。これらの画家は騒々しいできごとに目を向けず、肖像画、静物画や、農家の牧歌的な絵を描いていたようだ。ボリス・クストディエフ、ジナイダ・セレブリャコワの作品などがそれである。

 他には、カジミール・マレーヴィチ、クジマ・ペトロフヴォトキン、ボリス・グリゴリエフ、アレクサンドル・ロトチェンコ、ワシリー・カンディンスキーなどの作品がある。

開催期間は来年1月14日まで。

 

1917 革命のコード」

ロシア現代史博物館

 この企画展だけでなく、常設展も魅力的な博物館。モスクワ中心部のトヴェリ通りに位置しており、帝政ロシア時代は「英国クラブ」、ソ連時代は「革命博物館」であった。

 この企画展では、1917年10月革命の歴史的記録であり、ウラジーミル・レーニンの個人的なメモ、プロパガンダ磁器、他の主な革命参加者の個人的な所有物など、革命時代からの珍しい品が展示されている。展示品総数は1500点。

 開催期間は11月12日まで。詳細は公式ウェブサイト参照のこと。

 

「一人一人が自由のために?革命時代の一民族の歴史」

ユダヤ博物館・寛容センター

 モスクワで最も新しく、最も現代的な博物館の一つ。この企画展では、革命と内戦の時代(1917~1920年)の、ロシアのユダヤ人コミュニティの文化的、政治的、宗教的発展が紹介されている。

 マルチメディア展であり、さまざまなできごとが時系列で展示され、参加者の証言が一人称話法で行われる。美術、写真、本、劇場、プロパガンダのポスターで、さまざまなユダヤ人の人生や、エリ・リシツキー、マルク・シャガール、ロベルト・ファリク、イッサハル・ベル・ルィバクといった有名なユダヤ人アーティストの作品の多様性がわかる。

開催期間は来年1月14日まで。

 

「エリ・リシツキー」

トレチャコフ美術館およびユダヤ博物館・寛容センター

 両館のコラボレーションにより、20世紀初頭のデザインと建築のトレンドセッター(流行創造人)で、アヴァンギャルドの中心的なアーティスト、エリ・リシツキーの回顧展が実現した。

 ユダヤ博物館・寛容センターでは、「クルトゥル・リゲ」と呼ばれるユダヤ機関で主に発見された、リシツキーのアヴァンギャルド前の時代の作品が最初に展示される。トレチャコフ美術館では、約200点の建築プロジェクト、デザイン・スケッチ、「プロウン」グラフィック、また建築に優れた概念をもたらしたリシツキーの発明などが紹介されている。

 トレチャコフ美術館の開催期間は11月17日から来年2月4日まで。

ユダヤ博物館・寛容センターの開催期間は11月16日から来年2月18日まで。

 

「アレクサンドル・ラバス  10月」

ロシア写実主義研究所

 革命が起こった時、アレクサンドル・ラバスはわずか17歳であった。「私はことあるごとに通りに出るように努めていた。このリズム、銃撃、兵士の集団、赤軍兵士を乗せたトラックに夢中になっていた。あの時代を驚くほど感じ、その情景は常に私を追い続けている」と本人は回想していた。

 ラバスの絵画は公式なソ連芸術に強い影響を与えた。この企画展で展示される作品名は、「水平」、「10月の夜」、「戦いの後の朝」など、多くを語るもの。自分が見たすべてのもの、すなわち顔、街の景色、そして革命のできごとの雰囲気をとらえている。絵画以外にも、アーカイブ写真がある。

 開催期間は12月1日まで。

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