ミハイル・ブルガーコフ=
タス通信ミハイル・ブルガーコフ=タス通信撮影
1. 「原稿は燃えない」(『巨匠とマルガリータ』)ツイートする
2. 「どこにも急がない人は、どこにでも間に合うものだ」(『犬の心臓』)ツイートする
テレビドラマ「巨匠とマルガリータ」、2005年=写真提供:kinopoisk.ru
3. 「時には、人間を滅ぼすいちばんいい方法は、その人間に自分で運命を選択させることだ」(『巨匠とマルガリータ』)ツイートする
4. 「おかしくなっているのはトイレットペーパーじゃなくて、頭のほうだよ」(『犬の心臓』)ツイートする
5. 酒、賭博、美しいご婦人方、談話などを避ける男の頭には、なにか良からぬものが宿っているものだ。そういう手合いは、重い病気にかかっているか、密かに周りの人間を憎んでいるのさ」(『巨匠とマルガリータ』)ツイートする
6. モルヒネ中毒患者には、決して誰からも奪われることのない幸福が一つある。それは、全き孤独のうちに生活できるってことだ。孤独というのは大切なもので、しかも重要な思想であり、観照であり、平安であり、叡智にほかならないのだから…(『モルヒネ』)ツイートする
映画「犬の心臓」、1988年=写真提供:kinopoisk.ru
7. 「もしあなたが、自分の胃の消化のことを考えるなら、ひとつ忠告させてもらおう。食卓についたら、ボリシェビキのことも、医学のことも話しちゃいけないよ。神があなたをお守りくださるように――そして食事の前にはソビエトの新聞なんか読まないことだ」(『犬の心臓』)ツイートする
経歴
ミハイル・ブルガーコフ(1891-1940)は、ウクライナのキエフで生まれ育ち、キエフ大学医学部を優秀な成績で卒業した。しばらく赤十字の病院に志願して勤務。第一次世界大戦が勃発すると、前線をはじめ、ロシア帝国の各地で働いた。この時期の自伝的事実を含む、複数の短編が医学雑誌に掲載されている。ちなみに、彼の『若き医師の手記』と短編『モルヒネ』に基づき、連続ドラマがイギリスで製作された。ドラマの主役を演じたのは、ハリー・ポッター役で有名なダニエル・ラドクリフ。戦後、文壇で活躍し始めるが、劇場もその活動の舞台となった。内戦についての長編『白衛軍』を、自分で戯曲に直している(『トゥルビン家の日々』)。また、長編『劇場』は、この戯曲の上演をめぐる状況や人間関係に基づいたもので、ブルガーコフは自分の代表作だと考えていた。最後の作品『巨匠とマルガリータ』は死後四半世紀を経てようやく公刊され、世界的な評価を獲得、現在では75カ国語に翻訳されている。また、中編の傑作『犬の心臓』は、1988年のソ連末期に映画化され、現在も高い人気を誇っている。
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