インスタウィーク: 神々しく威厳に満ちたマイヤ・プリセツカヤをたたえて

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 20世紀で最も偉大なバレリーナの生誕90周年を記念して。

 11月20日はマイヤ・プリセツカヤの生誕90周年だった。彼女は2015年5月20日にミュンヘンで逝去したが、今日、ロシアと全世界が彼女を讃え、その才能、美貌と威厳に満ちた風格に対する敬服の念を表現した。ボリショイ劇場の赤髪のスターは、舞台で一番最初に踏んだ「パ」(ステップ) から、あまりにも見事だった。彼女の技巧の卓越と意欲と知性の組み合わせは刺激的だったが、一方で女性としてのカリスマも明白であった。彼女がボリショイ劇場でコール・ド・バレエの一員になったことが一度もなかったのも不思議ではない。

 

 マイヤ・プリセツカヤが生存していれば、今は90歳になっていた。

 

 マイヤ・プリセツカヤのための特別記念演奏会「アヴェ・マイヤ」のリハーサル。ボリショイ劇場の舞台上。この2回のショーでは (11月20日および21日)、同僚や友人たちがこのバレリーナの思い出を記念して、マイヤ自身が全盛期に踊った役割を演じる。その中には、スヴェトラーナ・ザハーロワやディアナ・ヴィシニョーワという現代のプリマドンナ2人が含まれている。

 

 最も情熱的な踊りは、マイヤが演じたボレロだった。同時にそれは、最も現代的な踊りでもあった。

 

 サンクトペテルブルクのシェレメチェフ宮殿内で開催されている「神々しいマイヤ」展示会の展示品である、「白鳥」のドレス。

 

 この展示会は、マイヤ自身が生誕90周年に向けて活発に準備に参加していたが、結果的にはこのバレリーナの追悼行事となってしまった。

 

 ファッションとダンスは切っても切れない縁にある。イヴ・サン=ローランとジャン=ポール・ゴルチエは、マイヤの衣服をデザインした。ある時ココ・シャネルはプリセツカヤを自分のファッションハウスに招き、最新のコレクションの中から好きなものを贈呈した。  

 1971年のアヴィニョン演劇祭では、 ナディア・レジェがプリセツカヤをピエール・カルダンに紹介した。「カルメンを演じる彼女を観た私は、彼女に惚れてしまった」と、このファッションデザイナーは後に回想している。このバレリーナは、その後長年にわたってカルダンの芸術的創造性を刺激する女神となった。

 

 もう一つの展示会が、モスクワのバフルーシン劇場博物館でも開催される。鮮やかに装飾され、著名なデザイナーが手がけたマイヤの衣装が、ここで1ヶ月間展示される。写真やビデオ資料のおかげで、来館者は、不朽の白鳥、カルメン、イサドラやアンナ・カレーニナなど、プリセツカヤが演じた最も有名で素晴らしい役の演技を見学することができる。

 

 モスクワ中心部にあるこの家の壁のグラフィティは、この大イベントに向けて刷新され、現在、ブラジル人アーティストによるマイヤの絵で再びマイヤの見事な姿が完璧なまでに再現されている。

 

 ロシア語の雑誌『Snob』は、今月号のカバーとしてマイヤ・プリセツカヤのデザインを掲載した。

 

ビデオ:  ボリショイ劇場の舞台上で繰り広げられるマイヤの天才へのトリビュート。彼女は手を翻したり頭の方向を変えるだけで、多大な表現力を発揮することができた。彼女の人生と功績は、フランス人バレエ評論家オンドレ・フィリップ・エルサンによる3つの言葉が端的に言い表している。「天才、大胆さ、そしてアバンギャルド」

 

ビデオ: 『ドン・キホーテ』で舞うマイヤ・プリセツカヤ。

 ロシア人詩人のアンドレイ・ヴォズネセンスキーは、彼女のことをこう綴った。「彼女の名前を叫ぶ大喝采が響き渡る。彼女は泣くカラマツ、ペルシアハシドイ、エリュシオンの野原、キリストの再臨と韻が合う。この世界には地理的、温度や磁気的な極があるが、プリセツカヤは魔法の極だ」

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