ゴーリキー映画撮影所代表作5本

 ロシア有数の歴史ある大きなスタジオ「ゴーリキー映画撮影所」は、今年で100周年を迎える。技術的実験、ジャンル的実験のプラットフォームとなりながら、国内初のファンタジー映画、発声映画、カラー映画など、さまざまな話題作を生んできた。国内だけでなく、海外でも有名になったソ連映画および現代ロシア映画5本を、ロシアNOWが特集する。

「静かなドン」

1958年、セルゲイ・ゲラシモフ監督

 1965年にノーベル文学賞を受賞したミハイル・ショーロホフの長編小説「静かなドン」の映画化作品。第一次世界大戦と内戦を背景に、コサックのグリゴーリー・メレホフ、その妻、初恋の人の三角関係を描いている。激動の時代と人々のドラマが重なり、主人公は2人の女性の間、敵対する人の間で揺れ動く。映画の中では、コサックの日常生活の詳細、服装、話し方、伝統などが正確に描写されている。映画は全米監督協会賞の長編映画監督賞、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭の水晶地球儀賞などを受賞している。

 

「マロースコじいさん」

1964年、アレクサンドル・ロウ監督

 古代ルーシ版「シンデレラ」とも言えるロシア民話「マロースコ」を原作としたミュージカル映画。当時としては最新の特殊効果を駆使している。1965年、映画は第17回ベネチア国際映画祭児童映画部門でグランプリを受賞した。旧チェコスロバキアでは特に人気を博し、現在でも伝統的な新年の映画と見なされている。

 

「ミオとミラミス勇者の剣」

1987年、ウラジーミル・グランマチコフ監督

 スウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンの児童文学「ミオよわたしのミオ」の映画化作品。魔法の国で2人の友だちが冒険をする物語。義親のもとで暮らしていた少年ボッセは、魅惑の地にたどりついて王子ミオになる。そこで子どもをさらう邪悪な騎士カトーを倒そうとする。ミオを助けるのは真の友人ユムユム。

 1985年、スウェーデンの映画関係者から、ソ連の監督に映画を撮影してもらえないかとの提案があった。ウラジーミル・グランマチコフが選ばれ、リンドグレーン自身によって承認された。ロケ地はクリミア、スコットランド、スウェーデン。映画のテーマ曲を担当したのはグループ「アバ」の元ソリスト。映画「アメリカン・サイコ」のパトリック・ベイトマン役や、「ダークナイト」3部作のバットマン役などで知られる、イギリスのスター、クリスチャン・ベールがユムユム役を演じている。

 

「聾の国」

1997年、ヴァレリー・トドロフスキー監督

 2人の少女のユートピア・コメディドラマ。ルーレットで所持金すべてを失った婚約者にだまされた不運で温和なリタと、おとぎ話のような「聾の国」に行くことを夢見る聴覚障がい者のダンサーのヤヤの物語。

 ロシアの有名な女優、監督、脚本家であるレナータ・リトヴィノワの中編小説「所有と帰属」が原作。この映画は国内で多くの賞を受賞し、ベルリン映画祭、シカゴ映画祭、ベルフォール映画祭、ブリュッセル映画祭、シアトル映画祭などでも上映されている。

 

「ロシアン・ブラザー」

1997年、アレクセイ・バラバノフ監督

 ロシアで大ヒットしたクライム映画。主人公のダニーラ・バグロフは、第一次チェチェン紛争から帰郷したが、地元の退屈な田舎生活が合わず、兄ヴィクトルの暮らすサンクトペテルブルクに行く。そこで兄が殺し屋になっていることを知る。兄はダニーラに、地元の市場を支配している犯罪界のボス、チェチェンを「排除」するよう説得しながら、闇のビジネスに引き込んでいく。ダニーラはギャングの抗争に参加しながらも、純朴で正直、ポジティブな若者のままであり続ける。

 映画はこの時代の象徴となった。サウンドトラックには伝説的なロックバンド「ノーチラス・ポンピリウス」の曲が使用されている。