ボドロフ監督「魔女狩りは健在」

ヴラジミル・アスタプコヴィッチ/ロシア通信撮影

ヴラジミル・アスタプコヴィッチ/ロシア通信撮影

 ロシアのセルゲイ・ボドロフ監督のハリウッド映画「セブンス・サン(7番目の息子)」が世界各国で公開されている。全米公開は2月6日。ジョゼフ・ディレイニーの小説「魔使いの弟子」を原作としたファンタジー映画で、ジェフ・ブリッジス、ジュリアン・ムーアなどの世界的なスターが出演している。アメリカ人俳優との仕事、映画の予算、ロシア人監督が関わった経緯などについて、ボドロフ監督自身がロシアNOWに語った。

-「セブンス・サン」の制作はどのようにして始まったのでしょうか。監督が考案したのですか、それとも「ユニバーサル・ピクチャーズ」から誘いを受けたのですか。 

私の映画「モンゴル」からすべてが始まりました。歓迎され、肯定的な批評つきで公開され、アカデミー外国語映画賞にノミネートされ、アメリカの映画業界関係者のほぼ全員に見てもらえました。この時に「レジェンダリー」社のプロデューサーと出会い、ザック・スナイダーの「アフガニスタン」という興味深いプロジェクトに出会って、着手しました。「レジェンダリー」社は結局プロジェクトには興味を示さなかったのですが...そして「セブンス・サン」があらわれたのです。長い間眠っていた作品で、ティム・バートンが製作を考えたこともあったようです。

 

-この作品のどこが自分に向いていると思いましたか。

魔女狩りのテーマにとても興味を持ちました。とても現代的なテーマです。異端審問がなくなって久しいですが、“狩り”はいまだに続いています。我々はなぜか、自分たちが正しいと常に信じ、魔女を探して、あらゆる罪で魔女を非難するのが好きなのです。具体的な誰かのことを言っているのではなく、世界のほぼどこでも、そこが常に正しいと考えているのです。気になっていた、つくろうと試みていたテーマでした。

-活動は自由にできましたか。

 チームの選定などは自由でした。一緒に仕事をしたい人のリストをつくるよう言われたので、一番に美術監督でアートディレクターのダンテ・フェレッティの名前を書きました。真の天才、優れた人物です。カメラマン選びには時間がかかりましたが、最高の人選になりました。トム・シーガルは優秀なカメラマン、プロ中のプロで、ブライアン・シンガーのために「ユージュアル・サスペクツ」や「X-メン」を撮影しています。コンピュータ・グラフィックにはジョン・ダイクストラを選びました。「スター・ウォーズ」に関わった大ベテランです。

最終段階でプロデューサーにあれこれ注文をつけられました。いつもこんな感じです。撮影と調整が終わった後に。100%自分の作品をつくることは不可能です。それなりに妥協をせねばなりませんでした。

 

-ジェフ・ブリッジスとジュリアン・ムーアに主演を依頼する時も、それなりの譲歩が求められたのではないですか。

 これは私の選択でした。ジェフほどこの役にぴったりな俳優はいないと、最初から思っていました。ジェフのところに話しに行ったのですが、簡単に承諾するような人ではありません。特殊効果のある映画のジャンルを好んでおらず、「トロン」と「アイアンマン」というヒット作に2度出演していますが、気に入っていませんでした。私のこれまでの映画を見て、「なぜあなたはこれをやっているのか?」と正しい質問をしてきました。そこで自分のアイデア、魔女狩り、我々がいかに責任転嫁するのが好きかなどについて話しました。するとジェフはしばらく考え、承諾してくれました。

ジュリアンのことは以前から好きでしたし、一緒に働きたいと思っていました。彼女自身が作家で、優れた、人気の児童書の著者です。ジュリアンが何らかの役で「オスカー」を手にできることを願っています。

 

-「ホビット」や「ハリーポッター」など、今日のファンタジー映画の傾向を意識しましたか。

ピーター・ジャクソンは偉大な監督ですが、その路線は私のものとは違います。ハリーポッターの中では、アルフォンソ・キュアロンの撮影した映画のみが個性的で気に入っています。ギレルモ・デル・トロの作品がとてもおもしろく、「パンズ・ラビリンス」は素晴らしい映画で、ロン・パールマンとの「ヘルボーイ」シリーズも良かったです。彼の映画には影響を受けました。

 

-「モンゴル2」の撮影は行いますか。

 はい。すでに中国人との活動を始めていて、中国に定期的に行っています。最後の女性、最後の戦い、帝国の運命など、チンギス・ハンの晩年についてのシナリオもできています。