刊行:2014年10月
池田正弘 著
東洋書店 刊
ロシアの観光案内書はいろいろあるが、自らのドライブ体験に基づく紀行本は珍しい。ロシアNIS貿易会の事務所長などとしてモスクワに通算17年駐在し、昨年9月に一時帰国中の沖縄で急逝した著者の遺稿集はロシアの知られざる魅力にあふれている。
母なる大河、ボルガ川の水源にたどり着き、ロシア人の知人にその話をすると、ほとんどが「それはどこだ」と驚いたという。ウクライナ編ではロシアとの国境通過に苦労し、道路の整備状況から「ウクライナがいかにロシアを向いていないか」を実感するなど、今のウクライナ危機に通じるエピソードもちりばめられている。
頼りがいのあるロシア通のガイドが運転する車の助手席に座り、未知の大地を冒険するような気持ちにさせてくれるのは請け合いだ。
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