太平洋子午線が盛況のうちに閉幕

「太平洋子午線」映画祭の閉会式 / タス通信

「太平洋子午線」映画祭の閉会式 / タス通信

第12回環太平洋国際映画祭「太平洋子午線」(ウラジオストク、9月13日~19日)が、盛況のうちに閉幕した。エイドリアン・ブロディ、マイケル・マドセン、スティーヴン・ボールドウィンなどのハリウッドスターを含む、世界の映画関係者が集結した。

 コンペティション部門には、ロシア、日本、韓国、中国、インド、アメリカ、カナダ、メキシコ、エクアドル、チリ、スリランカ、インドネシア、シンガポール、オランダ、台湾などの映画が出展された。旅のような人生、社会的な保護の欠如、低い教育水準が、今回の映画祭の主なテーマであった。  

文化が交差する場所

コンペティション部門にはロードムービーが多く、その長編は10作品のうち6作品あった。

 旅行のテーマとは、地理的な移動だけでなく、文化から文化への移動もある。このジャンルは今の文化トレンドに合っている、と経済高等学院のアンナ・ノヴィコワ教授はロシアNOWに説明した。「旅行のジャンルはすべての現代文化に通じている。グローバル化、現代のコスモポリタンなイデオロギーと関係している」

 世界的な文化の交差というトレンドに、ロシア極東のウラジオストク市という開催場所も応えている。ここは中国、北朝鮮、韓国、日本に近い。これがウラジオストクの街の特徴にもなっており、右ハンドルの日本車が道路を走り、ロシアのヨーロッパ部分に位置するモスクワやその他の街の住人が見たこともないような製品がたくさん販売されている。 

国は違えども問題は同じ

 世界の映画には共通のテーマも多い。まず、社会的な保護の問題である。スリランカ、チリ、ロシア、ウクライナの間に共通点などないように思えるが、不当な状況における無力な人、その社会の宿命、倫理的方向性の不在が、映画の中で描かれている。ウクライナ映画「部族」には聴力障がい者用寄宿舎の犯罪集団が登場し、ロシア映画「矯正教室」では、教育システムがいかに障がい者生徒を破壊するかを描いている。社会的な映画は、異なる国で人々の問題がとても似ていることを示す。 

ハリウッドスター

 有名人の存在は映画祭を華やかにする。世界的なスターを招いた、映画祭の創設者で総監督のエフィム・ズヴェニャツキー氏は、これをよく理解している。

 今年はアカデミー主演男優賞の受賞者エイドリアン・ブロディ、映画「ユージュアル・サスペクツ」や「スリーサム」などで知られているスティーヴン・ボールドウィンが訪れ、クエンティン・タランティーノ監督お気に入りの俳優の一人であるマイケル・マドセンは審査員も務めた。毎朝10時にハリウッドのスターを見るのは不思議な感覚だ。

 マイケル・マドセンはロシアNOWの取材に対し、映画祭についてこう話した。「ウラジオストクに来るのは2回目。1回目は映画をほとんど見なかったけど、今回は審査員としてさまざまな国の映画をたくさん見た。映画祭がなかったら恐らく目にしなかったであろう映画をね」

12回環太平洋国際映画祭「太平洋子午線」受賞作品


最優秀映画賞、「2つ目の窓」(河瀬直美監督、日本)

審査員特別賞、「血」(アリーナ・ルドニツカヤ監督、ロシア)

最優秀監督賞、イワン・トヴェルドフスキー(「矯正教室」、ロシア)

最優秀主演男優賞、ダニエル・カンディア(「人を殺す」、アレハンドロ・フェルナンデス・アルメンドラス監督、チリ)

最優秀主演女優賞、マリヤ・ポエズジャエワ(「矯正教室」、イワン・トヴェルドフスキー監督、ロシア)

最優秀短編映画賞、「弟」(レミ・サンミシェル監督、カナダ)

最優秀短編映画FIPRESCI賞、「ナイアガラ」(早川千絵監督、日本)

最優秀映画FIPRESCI賞、「その後の人生」(ダヴィド・パブロス監督、メキシコ)

NETPAC賞、「困難な日」(キム・スンフン監督、韓国)