わずか4分の絵画5枚盗難劇

イヴァノヴォ州プリョス市のイサーク・レヴィタン博物館で5日午前3時ごろ、ロシアの画家イサーク・レヴィタンの絵画5枚が盗まれた。地元政府の試算では、被害額は7700万ルーブル(約2億3100万円)にのぼる。

 盗まれた絵画は大きくはないものの、十分に知られている。1894年作の「バラ」(サイズ25x33.5)、同時期の「川の入り江」(19.5x30)、1899年作の「静かな小川」(16.6x27)など。 

 レヴィタンの主要な絵画を所蔵しているトレチャコフ美術館の職員で芸術学者のタチヤナ・ゼリュキナさんはこう述べた。「レヴィタンの絵画はどれも目録化されているため、絵画市場で販売してもうけることはできない。特に欧米では」 


防犯装置はすべて作動していたが… 

 犯人は厳しく警備されていた建物にいかに侵入したのだろうか。監視カメラ2台をペンキスプレーで塗りつぶしたという説もある。館内にはそれ以上カメラはあり、保有しているのは警察だが。

イサーク・レヴィタンはロシアでもっとも有名な風景画家の一人。約5000枚の油絵、水彩画、エチュード、スケッチなどを残している。作品の大半はモスクワの国立トレチャコフ美術館に所蔵されている。プリョスのイサーク・レヴィタン博物館は1972年開館。レヴィタンは1888年に初めてプリョスを訪れ、後に有名となる23枚の絵画を描き、また他の絵画、エチュード、スケッチなども200枚ほど描いている。

 イヴァノヴォ州文化課のスヴェトラーナ・シュメリョワ課長はこう話す。「博物館には最新の要求事項に沿った火災・警備報知機がある。3つの防火等級があった。盗難された際、すべての機械が作動し、中央監視局に信号が送られた。また、警察は博物館と定期的に活動しており、すべてを点検している。特別捜査委員会によると、報知機に問題はなく、作動状態にあった。警察は数分後にかけつけたが、博物館に到着した時、1階の多重窓ガラスが割れていたのを発見した」

 報知機が作動してから警察が到着するまで4分かかった。20年前にもこの絵画が被害にあっていたことは興味深い。今回盗難された5枚のうち、3枚は以前にも盗難されている。だがその後、絵画は取り戻され、犯人は逮捕された。イサーク・レヴィタン博物館のアーラ・チャヤノワ館長はこう話す。「20年前の犯人はもう生存していない」

 イサーク・レヴィタンはロシアでもっとも有名な風景画家の一人。約5000枚の油絵、水彩画、エチュード、スケッチなどを残している。作品の大半はモスクワの国立トレチャコフ美術館に所蔵されている。プリョスのイサーク・レヴィタン博物館は1972年開館。レヴィタンは1888年に初めてプリョスを訪れ、後に有名となる23枚の絵画を描き、また他の絵画、エチュード、スケッチなども200枚ほど描いている。

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