サックス奏者イーゴリ・ブトマンのモスクワ・ジャズ・オーケストラ=ビデオ提供:YouTube
2月3日(月)
モスクワ国際音楽堂(Moskovskii Mejdunarodnyi Dom Muzyki)」で、ウラジーミル・スピワコフが指揮をとる「モスクワ・ヴィルトゥオーソ」オーケストラと、サックス奏者イーゴリ・ブトマンのモスクワ・ジャズ・オーケストラが、ひとつの舞台に立つ。
ブトマンのオーケストラは、優れたクラシック・ジャズのオーケストラで、ステータスの高い世界の数々の舞台に出演している。モスクワ・ヴィルトゥオーソは、スケジュールが過密なヨーロッパ・レベルのオーケストラ。創設者であるスピワコフと団員の特徴は、独特のユーモアのセンスだ。シンフォニー・オーケストラとジャズ・オーケストラの共演という今回のプログラムもまた、この団体の面目躍如といったところ。「クラシックとジャズの四季 (Vremena Goda V Klassike I Djaze)」プログラムには、チャイコフスキー、ボロディン、ピアソラとともに、グッドマン、ハンコックといったジャズの巨匠の作品が並んでいる。このプログラムのもうひとつのテーマは、ジャズ風にアレンジされたクラシックな作品とその逆バージョンというパラドックスな組み合わせ。
2月4日(火)
「クイーン・クラシック」プロジェクト=Press photo撮影
モスクワ市の「クロッカス・シティ・ホール(Crocus City Hall)」で、伝説的なバンド「クイーン」に捧げる、「クイーン・クラシック(Queen Classic)」プロジェクトが行われる。ボーカルはカナダ人のジョニー・ザトィルニィ。2000年からフレディ・マーキュリーの真似をしている。ベル リンのシンフォニー・アンサンブルが演奏し、アカデミックなアレンジでなじみの曲に新たな色を添える。
2月5日(水)
Press photo撮影
モスクワ市の「リュミエール兄弟写真センター(Tsentr Fotografii Imeni Brat'ev Lyum'er)」で、企画展「土地柄:リトアニア写真のクラシック(Genii Mesta. Klassika Litovskoi Fotografii)」が開幕する。展示されるのは、20世紀後半のリトアニアの優れた写真家の作品200点以上。ソ連時代はもっともヨーロッパ的な共和国だった。それは最西端という地理的な位置条件だけでなく、第二次世界大戦まで独立していたため。さらにカトリック圏にあるリトアニアの価値観は、西側に近い。冷戦時代、文化的に隔離された条件のもと、この共和国の写真家は、西側の現代的な傾向をとり入れていた。他のソ連の写真芸術とは異なり、1960年代にすでに世界に合流し、写真家は西側の雑誌を手に入れ、国際コンテストに出品していた。それはソ連で「写真共和国」と呼ばれたほど。クラシックな写真とはいえ、港町のクライペダ、砂丘、象徴的なリトアニア自転車など、現地の魅力に目をうばわれる。これらすべてがこの土地ならではのものだ。
2月7日(金)
Press photo撮影
モスクワ市の中央展示場「マネージ(Manej)」で、2014年ソチ冬季五輪記念企画展「勝利の季節(Sezon Pobed)」が開幕する。展示されるのは、五輪の記念コイン、メダル、偉大なスポーツ選手のウェア、大会のカップなど。招かれたフランツィスコ・イン ファンテ、ボリス・オルロフ、エルコ・ブランドなどの現代芸術家らが、五輪のシンボルと意義の現代芸術的解釈を示す。
モスクワ市のクラブ「ヴォルタ(Volta)」で、「第5回レゲエ祭(5-i Reggi-Festival')」が行われる。これはレゲエ・ミュージシャンであるボブ・マーリーの誕生祝い。ロシアのラスタファリ運動は1980年代 に始まった。旧ソ連領域では、その寒さや暗さにかかわらず、太陽が照りつけるジャマイカの音楽が愛されている。冬のモスクワでボブ・マーリーを追悼するのは、さまざまな世代のロシア、ウクライナ、ベラルーシのグループ。ローマVPRとフェスティヴァリ・フセヴォ・ナ・スヴェチェ(Festival' Vsego Na Svete)、アディス・アベバ(Addis Abeba)、コミチェト・オフラヌィ・チェプラ(Komitet Ohrany Tepla)、ラパパム・アンド・ドゥブチキドゥブ(Rapapam & Dubchikidub)などが出演する。