クルニクを「組み立て」よう

鶏と卵とキノコ、どちらが先だろうか。今回はジェニファー・エレメーエヴァがチキンとマッシュルームを重ねたロシアのクルニクを作る。

ロシア語で「鶏舎」を意味するクルニク 

 ロシアは冬の真っ最中。この時期には暖かいキッチンに籠ってお腹いっぱいになる、身も心も温まる料理を作りたいものだ。ロシア語で「鶏舎」を意味するクルニクは、ロシア版チキン・ポット・パイ。チキンと野菜の濃厚なソースに、米とゆで卵を混ぜてそのソースを含ませる。

 チキン、卵とキノコを層にして厚い生地に包み込み、熱々になり美味しそうな湯気が出るまでオーブンでこんがりと焼く。卵が入っている事、そして形が円、も しくは楕円である為に、永遠、完全性と豊穣さのシンボルとされ、クルニクはお祝い事で大事な役割を果たす。結婚式では、新郎と新婦それぞれに一つずつ、装 飾を施したクルニクが用意される。

 ロシアの定番の料理で最も大変なのは、単調でやや薄味な伝統的なレシピにメリハリをつける事だ。まず私は胸肉より味の濃いもも肉を使い、ハーブとワイ ンで煮込み、味に深みを与えた。サワークリームの代わりに、茹で汁でホワイトソースを作り、カイエンペッパーで辛味を加える。マデイラ酒でもどした干キノ コは、キノコの味をより奥深くする。フレッシュ・タラゴンで、丁度いい仕上がりになる。

 幾層も重なるクルニクは子供と作るのに楽しい料理だ。パイの上は、余ったパイ生地できれいな形を切り取り、飾れるので、子供の出番が多い。

生地:具:

クリームチーズ 350グラム

バター 113〜226グラム

小麦粉 3カップ

ベーキングパウダー 小さじ2杯

塩 大さじ1杯

カイエンペッパー 小さじ¼杯

生クリーム ½カップ

小麦粉 大さじ2杯

バター 大さじ4杯 (2つに分ける)

オリーブオイル 大さじ2杯

鶏もも肉(骨なし・皮なし)900グラム

タマネギ 大1個 粗みじん切りにする

ニンニク 5片 細かいみじん切りにする

マッシュルーム(生) 450グラム

干キノコ 1カップ

米 2カップ 4カップの水で炊く

マデイラ酒、もしくは辛口白ワイン 1カップ

辛口ワイン 2カップ

人参 2カップ さいの目切りにする

ゆで卵 6個 殻を剥き、半分に切る

生卵 1個 冷たい水

パセリ 小さな一束

セロリ 3本

タラゴン(生) 大さじ2杯 細かく切る

 

作り方:

生地:

1. スタンドミキサーにパドル(羽根)を取り付け、バターとクリームチーズを滑らかなクリーム状にする。他の材料を入れる。2つの塊にまとめ、最低30分間冷蔵庫で寝かせる。

:

1. マデイラ酒にお湯を1カップ加え、その中に干キノコを入れてもどす。最低20分間漬けておく。ペーパータオルで濾してキノコを取り出し、液体はとっておく。

2. 生のマッシュルームをバター大さじ1杯で炒め、マデイラ酒を少量振りかけ、水気がなくなるまで炒める。塩をひとつまみと生クリームを大さじ2杯加える。戻したキノコと合わせる。

3. 刻んだタマネギ、ニンニク、人参とセロリを柔らかくなるまでオリーブオイルで炒めておく。

4. 白ワイン、水2カップ、セロリ1本とパセリを鍋に入れて煮立たせ、鶏もも肉を9〜11分茹でる。茹で汁はとっておく。パドル(羽根)を取り付けたスタンド ミキサーに茹でた鶏肉を入れ、中くらいの速度にかけて肉を引き裂く。炒めたタマネギや人参と合わせ、タラゴンを加える。

5. 鶏肉の茹で汁とキノコの戻し汁を合わせ、生クリームを加えてホワイトソースを作る。カイエンペッパーをひとつまみ入れ、鶏肉などにかけて混ぜる。

6. オーブンを204度になるまで予熱する。

7. 丸いケーキの型にバターを塗り、生地を敷く。米、鶏肉、そしてキノコの順に層を作る。型の上にたどり着くまで層を重ね、最後に切り口を上にしたゆで卵をき れいに並べる。もう一枚の生地を上に被せ、残りの生地で装飾を施す。湯気が籠らないように、上に切り込みを数カ所入れる。卵と冷たい水を刷毛で塗る。 204度で25分間焼いた後、180度に温度を下げ、生地がこんがりきつね色になるまで焼く。20分間休めてからテーブルに出す。

 

プリヤートノヴォ・アペティータ(美味しく召し上がれ)!

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