ファベルジェ博物館がオープン

=ナタリア・ピエトラ撮影/ロシースカヤ・ガゼタ(ロシア新聞)

=ナタリア・ピエトラ撮影/ロシースカヤ・ガゼタ(ロシア新聞)

サンクトペテルブルクに、カール・ファベルジェの宝飾芸術を紹介する博物館がお目見えし、そのオープニングには、ドミトリー・メドベージェフ首相も姿を見せた。

 著名なロシアの富豪でスコルコボ基金総裁のヴィクトル・ヴェクセリベルグ氏が所有する、この私設の博物館は、サンクトペテルブルグの改修されたシュヴァーロフ家の宮殿にある。フォンタンカ運河に面したこの宮殿は、2000年代中頃には半壊の状態にあったが、博物館の開設に際して大掛かりな改修が行われ、12億ルーブル(約36億円)を要したユニークな歴史的インテリアが甦った。

 

富豪ヴェクセリベルグ氏の基金「時代の絆」の蒐集品 

 展示の中心は、ヴェクセリベルグ氏の文化歴史基金「時代の絆」の蒐集品。それは、2004年にアメリカの富豪マルコム・フォーブス氏の相続人から購入したファベルジェ社のイースター・エッグのコレクションを含む約4千点の装飾工芸品で、基金「時代の絆」は、その後の9年間に蒐集品をさらに充実させた。

 展示品のうち最も価値があるのは、1885年にアレクサンドル三世の依頼でその妻マリヤ・フョードロヴナのために作製された最初のエッグを含むインペリアル・イースター・エッグで、そのほか、ヴェクセリベルグ氏の個人コレクションである珍しい絵画その他の芸術作品も展示されている。

 

ファベルジェなど「歴史を映す」美術品の数々 

 ヴェクセリベルグ氏は、博物館の意義についてこう述べる。「私たちは、18世紀から20世紀初めにかけてのロシアの歴史を映す博物館の創設を切に望んでいました。その時代のシンボルの一つは、宝飾芸術を極めたカール・ファベルジェです。私たちは、ここを訪れる人々に展示品の美しさに触れるばかりでなくその時代の精神を感じていただきたいと思っています」

 館内には、ファベルジェ工房の製品のほか、イヴァン・フレーブニコフ、パーヴェル・オフチンニコフ、イグナチー・サジコフといった有名な宝飾職人の作品、さらに、ウラジーミル・マコフスキー、イヴァン・アイヴァゾフスキー、カール・ブリュローフ、コンスタンチン・コローヴィン、ピエール=オーギュスト・ルノワールといった有名なロシアや欧州の画家たちの作品も展示されている。

 

メドベージェフ首相:「これだけのコレクションを見たのは初めて」 

 同館では、企画展も開催される予定で、ヴェクセリベルグ氏はこう語る。「現在、私たちは、プーシキン美術館やトレチヤコフ美術館と提携に関する交渉を行っています」

 オープニングには、ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相も訪れ、同首相は、これだけのコレクションを目にするのは初めてとのことで、「これまで、読んだり聞いたりしていましたが、見ることはありませんでした」と語った。展示室にはファベルジェの作品の歴史を紹介する電子スタンドが設置されており、メドベージェフ首相は、それを試しつつ英語版も作るよう勧め、見学の最後に賓客用の電子ブックに「ご成功を祈ります!」とサインした。

 コレクションの蒐集や宮殿の改修を含む博物館の創設の費用は、すべて基金「時代の絆」の資金で賄われた。ロシアのウラジーミル・メジンスキー文化相は、こう述べた。「こうした博物館の開設は、やり手ではなく創り手としてのロシアの真の企業家や慈善家の精神の復興を物語る全ロシア的規模の出来事です」

 なお、一般向けのオープンは、今年12月初めの予定。