シェレメーチエヴォ第2空港=写真提供:ロシア通信
シェレメーチエヴォ国際空港は、市の北西約40キロの地点にある。現在は、乗客数で、ロシア全体でドモジェドヴォ空港に次ぐ。アエロフロート・ロシア航空のハブ空港でもある。長年モスクワの空の表玄関だった。
ターミナルは6つあり、ターミナルAとBは、元シェレメーチエヴォ第1空港、C、D、E、Fは、元シェレメーチエヴォ第2空港だ。
最近は、アメリカの中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン氏の“滞在場所”として世界中の注目が集まった。
元来は軍用飛行場
シェレメーチエヴォ国際空港は元々、ソ連空軍の主要な空港として建設が始まり、1957年には、滑走路などが造られたが、民間用に転用されることになった。
1959年8月11日に、レニングラードからツポレフ104が飛来し、民間空港として正式に開港した。現在も、この日をもって開港記念日としている。シェレメーチエヴォの名は、付近にあったシェレメーチエヴォ村に由来する。この村は、帝政時代はシェレメーチエフ伯爵の領地だった。
「我国でもああいう空港を造るべき時だ」
国際空港建設は、ソ連の指導者ニキータ・フルシチョフだ。当時の証言によると、フルシチョフは、イギリスを公式訪問した際に、ロンドン・ヒースロー空港の規模に驚嘆し、シェレメーチエフスキー軍用飛行場に戻るや、辺りの空き地を見回して、「我国でもああいう空港を造るべき時だ」と叫んだという。
最初に建設されたターミナルは、現在のターミナルBの隣にあった管制塔の小さな建物だった。
モスクワオリンピック開催を控えた1980年3月6日には、シェレメーチエヴォ第2空港が国際線ターミナルとして開港した。
00年代の全面改修
しかし、このシェレメーチエヴォ2は、長い行列待ち、低い天井と照明の暗さ、モスクワ市内からの渋滞によるアクセスの悪さなどで、次第に評判を落としていった。
ドモジェドヴォ空港が改修されたこともあり、日本空港、ルフトハンザ、ブリティッシュ・エアウェイズ、イベリア航空などが乗り入れ先をこちらに変更した。
だが、シェレメーチエヴォ2も、00年代から全面改修がなされ、モスクワ都心のベラルースカヤ駅から空港直通のアエロエクスプレスも2008年に開通し、再び空の表玄関としての地位を取り戻しつつある。
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