子供たちが興味をもつミュージアム

=Lori/Legion Media撮影

=Lori/Legion Media撮影

さあ、子供連れでモスクワにやってきました。何をするかが大切です。残念ながらモスクワは避暑地ではなく、アイスクリームを食べさせてばかりいたり、オールインクルーシブ(何でも揃ったリゾート場)のように、大がかりなプール滑り台で子供を遊ばせることもできません。しかしご心配なく。その代わりに、装甲車の試乗や、ミール軌道ステーションの機内を覗くこともお勧めです。ロシアNOWの記者は、子供も大人も楽しめる、モスクワにある9つの博物館に行ってみました。

子供もクラシックカーに試乗可能

=Lori/Legion Media撮影

技術博物館

 モスクワ州、クラスノゴルスク地区、イリインスク街道4 km、str.8、

電話(495)662-38-18

開館時間

平日 10時~18時

休日・祝日 10時~19時

入館料 大人5ユーロ(1ユーロは約130円)、生徒、大学生1ユーロ20セント

 技術博物館(3歳以上)に行けば、車、飛行機、オートバイ、戦車、20世紀初めの「馬なし馬車」と呼ばれた乗り物などが見られる。大人たちには、スターリンやフルシチョフやブレジネフの車、さらに元女優のモナコ王妃グレース・ケリーの車が面白いだろう。

 また上を見上げると、Yak(ヤコブレフ)型航空機がたくさん天井から吊り下げられているのが見える。ここはYak型航空機の世界最大のコレクションだ。

 子供たちは鉄道模型にも興味を示すだろう。模型の精巧さと美しさは、オランダのミニチュア都市マドゥローダムに勝るとも劣らない。

 休日には、11歳以上の子供を対象に子供自動車学校が開かれる。そこで子供たちはヘルメットをかぶり、装甲車や1959年型ミニ・クーパーの試乗を楽しむことができる。さらにあらかじめ予約すれば、(とくに腕白坊主ら向けの)兵器の組み立てと分解の授業が受けられる。

 

地底の王国

=PhotoXPress撮影

フェルスマン記念鉱物博物館

 レーニン大通り18、k.2

電話(495)954-39-00、(495)954-18-59

月曜日、火曜日、毎月の最終木曜日をのぞく毎日 11時~17時

入館料 大人2ユーロ、子供1ユーロ(水曜日は無料)

 好奇心旺盛な子供は、フェルスマン記念鉱物博物館(3歳以上)が、きっと気に入るだろう。そこには手で触ることのできる、綿毛のようなオーケン石まであるのだから。

 そのとなりにあるのが隕石の欠片(その最も古い隕石は1749年に科学アカデミーのコレクションになった)。隕石の雨で穴が開いた穀物乾燥機の屋根の一部もある。

 だが、ここの一番の展示品は、形状も色も大きさもさまざまな鉱石の数々。海の生物ウニに似た石英。緑色で透明の丸いブドウ石は、まさしくブドウみたいだ。サファイアの露に被われたような胆礬(たんばん)の小枝。ふわふわのソーダ沸石。ライラック色のリシア電気石。

 

スパイ用カメラ

写真提供:スフェーラ博物館

「スフェーラ」博物館

 イワン・フランコ通り22、1号館

開館日 金曜日、土曜日 12時~19時

ガイド案内開始時間 12:00、13:30、15:00、16:30、18:00

入館料 大人7ユーロ、子供4ユーロ

 もう少し年上だが、小さな子供に劣らず好奇心旺盛な子供を待ち受けているのが「スフェーラ博物館」(7歳以上)。ここの展示品は、どんな珍品や年代物でも、すべて手で触ることができる。

 電話機、顕微鏡などもあるが、一番の展示品はカメラ。ここではソ連時代のスパイ用超小型カメラや鞄型カメラさえあり、鞄型カメラは、脇にかかえて、人に気づかれずにシャッターを切ることができる。

 特別実験室で見せてくれるのは、白黒写真の作り方。現像作業の実演もあり、見学者の見ている前で画像が現れる。入口近くに巨大な暗室があり、中に入ると、レンズを見ている人の姿を逆さまに映した画像を見ることができる。

 

19世紀の舞踏会気分 

=PhotoXPress撮影

「モスクワの灯」博物館

 アルミャンスキー小路3、

電話(495)624-73-74

毎日11時~17時(休館日なし)

入館料 大人1ユーロ、就学者30セント 

 「モスクワの灯」博物館(6歳以上)は、あらかじめガイド見学の予約をしてから行った方がよい(外国語のガイドも可能)。ここでは松明(たいまつ)の点火の仕方を見せてくれるほか、提灯、石油ランプなど、すべての展示品に手で触ってよいとされている。

 1940年から1984年までモスクワの屋外照明を制御していた制御盤の前に座ることもできる。制御盤のボタンを押すと、すぐに周囲の色とりどりの明かりが点る。

 博物館ではときどき舞踏会が催される。館員たちがロウソクを点し、レコードをかけ、客たちにワルツやメヌエットのダンスを教えてくれる。

 

自分で発電機を動かす

=Lori/Legion Media撮影

科学技術博物館

 ノーバヤ広場3/4、入口1、

電話案内(495)623-07-56、ガイド案内ビューロー(495)623-42-87

月曜日、毎月の最終金曜日をのぞく毎日 10時~18時

入館料 大人2ユーロ20セント、生徒1ユーロ

 見学案内が不可欠なのが科学技術博物館(4歳以上)。ガイドの案内での見学なら、自分の手で発電機を動かすことが許可されるのだから。

 ここには、褐色の大きな車輪のついた19世紀末の緑色の蒸気自動車や、風車小屋があり(米国のテレビ番組「Lost」の別世界に入り込んだような感覚だ)、さまざまな時代の写真機がある。また別の展示室には蓄音機、携帯式蓄音器、電話、テレビ、ボタンのコレクションが並ぶ。

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恐竜好きの人たちに 

 プロフソユーズナヤ通り123、

電話(495)339-15-00、(495)339-45-44

月曜日と火曜日をのぞく毎日 11時~18時

入館料 大人3ユーロ、就学者1ユーロ50セント、6歳未満の幼児は無料

=Lori/Legion Media撮影

 恐竜好きの人たちにまずお勧めするのが古生物博物館(4歳以上)。哀しげな目をした首長竜プレシオサウルスや、巨大なマンモスなど、数百万年前に絶滅した生物の骨格がある。この大量の骨格群は、溶岩流の代わりに泥と土の波が住民に襲いかかった古代都市ポンペイの死滅を思い出させる。

 

宇宙ステーションの機内に 

=Lori/Legion Media撮影

宇宙飛行学記念博物館

 ミール大通り111

電話(495)683-79-14

水曜日~日曜日 11時~19時

入館料 3ユーロ

 将来、宇宙飛行士をめざす子供たちは、宇宙飛行学記念博物館(4歳以上)に歓喜するだろう。ここには本物の「飛行制御センター」があり、巨大なスクリーンに、現在、国際宇宙ステーションがどこにあって、そこで人々がどんな風に暮らしているかが映し出されている。

 探査ヘリコプターのシミュレーター(訓練装置)や宇宙への模擬飛行アトラクションがあり、そのすべてを試してみることができる。

 ここではミール軌道ステーションの機内に入り、数十着の宇宙服、宇宙で蘭を栽培するためのコンテナ、脱出用シートなどを見学できる。

 

自分で実験して楽しむ 

 ブトゥイルスカヤ通り46/2

電話(495)989-73-94

月曜日~金曜日 9時30分~19時

土曜日・日曜日・祝日 10時~20時

入館料 1回利用券、定期利用券は電話とサイトでご確認ください。

写真提供:エクスペリメンタリウム

 豆学者たちはエクスペリメンタリウム(実験館)(7歳以上)が気に入るだろう。ここは、展示品に触れるだけでなく、本物の実験に参加できる科学アトラクション施設だ。2000㎡の敷地に米国製トラックから眼球模型にいたるまで、200点以上の展示品があり、あなたの子供は、解剖学、力学、光学、音響学、電磁気学の初歩を学ぶことができる。

 

人形と人間の付き合い 

写真提供:「人形の家」博物館

「人形の家」博物館

 ワルワルカ通り14

電話(495)698-11-05

火曜日、金曜日11時~18時、土曜日12時~17時

ガイド見学は事前予約のこと。

入館料 大人3ユーロ、優待者(年金生活者、子供)1ユーロ

 ごく小さな子供たちは、「人形の家」博物館(2~3歳以上)で楽しめる。昔風の玩具、人形、ままごとの食器、おもちゃの兵隊で遊んだり、おもちゃの乳母車にのせたクマさんの縫いぐるみを相手に遊ぶことができる。クマさんは持ち主の女性と一緒にレニングラード封鎖を体験し、負傷して、胸には弾痕さえある。1903年生まれで、98年間、同じ家族のもとで暮らしたヴェーラ人形に触ったり、第一次世界大戦時にパンでこしらえられた兵隊人形を見ることもできる。

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