「悪魔の飽食」による合唱組曲「懺悔」

池辺晋一郎氏=キリル・ラグツコ撮影

池辺晋一郎氏=キリル・ラグツコ撮影

7月21日(日)、満員のモスクワ音楽院大ホールで、混成合唱団「歌う日本」の無料コンサートが催され、森村誠一氏のドキュメンタリー小説「悪魔の飽食」に基づく合唱組曲「懺悔(悪魔の飽食)」が演奏された。この小説は、第二次世界大戦中に関東軍731部隊で起きた残虐行為を白日のもとに晒している。

合唱組曲「懺悔」

合唱組曲「懺悔」は、森村誠一氏のドキュメンタリー小説「悪魔の飽食」に基づくもので、731部隊として知られる日本の関東軍の特殊部隊の犠牲者に捧げられた作品。同部隊は、細菌兵器の開発に従事し、ロシア人捕虜を含む多数の人々に人体実験を行った。
731部隊の史実を基にした森村誠一氏の小説「悪魔の飽食」の出版後、神戸市の合唱団員たちは、有名な作曲家で多くの映画音楽を手がけてきた池辺晋一郎氏に、同部隊の犠牲者の記憶を永く後世に伝えるために合唱作品の創作を依頼した。

 池辺晋一郎氏が作曲した731特殊部隊の犠牲者に捧げるこの合唱組曲は、これまで、日本、中国、韓国、ポーランド、チェコなどで演奏されてきた。モスクワ音楽院大ホールの舞台には、和太鼓演奏集団「輪田鼓(わだつみ)」も登場し、この和楽器のための伝統的な作品を演奏して場内を沸かせた。

 公演後、合唱団員たちは、音楽院のロビーで観客と触れあい、多くの人が、握手を求め、ロシア語や日本語で「ありがとう」の言葉を伝えた。 

 モスクワに続いて、7月23日(火)には、サンクトペテルブルグの国立アカデミー合唱団のホールでコンサートが催される。こちらも入場は無料。