プロトンロケット、1989年 写真提供:ロスコスモス
プロトンは「陽子」を意味し、第52設計局(チェロメイ設計局)がICBM(大陸間弾道弾)として設計した。
3段式または4段式のタイプがあり、1段目は、エンジンを備えた6本の燃料タンクにぐるりと囲まれている。この形がトレードマークだ。
数々の歴史的プロジェクトを担い、今も現役
大重量を打ち上げる能力をもつプロトンは、ソユーズL1計画(有人月接近飛行計画)では、無人のテスト機(ゾンド)を打ち上げ、その後も惑星探査機や、宇宙ステーションのサリュート、ミール、ISS(国際宇宙ステーション)を打ち上げるなど、数々の歴史的プロジェクトを担ってきた。
初の打ち上げから半世紀近くを経た現在も現役で、静止衛星の商業打上げなどに使われている。
これまでの打ち上げ数は388回、うち成功は345回。
外国に依存しない打ち上げシステムを目指し
現在、後継ロケット「アンガラ」が開発中だ。アンガラは、プロトンと同じく大推力をもつのにくわえ、プロトンの有毒な推進剤を使わないので、より環境に優しい。打ち上げは、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地ではなく、ロシア北部のアルハンゲリスクの南にあるプレセツク宇宙基地で行われる。
要するに、アンガラの開発は、外国に依存しない打ち上げシステムをもつという安全保障上の目的をもっている。
プロトンの退役は2020年以降の予定だ。
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