チェブレク=Lori/Legion Media撮影
ロシアのファストフードの王様はチェブレクだ。外国のハンバーガーやドネルケバブがこの地位を奪おうとしても、変わることなく君臨している。
チェブレクはロシア人の間で最も有名なタタール料理だ。軟らかな羊肉や子牛肉と、肉汁が具として入っている揚げピロシキで、おなじみの食べ物だ。タタールスタン共和国の料理のシンボルである。
たっぷりの荒挽き生肉の上に生の卵黄をのせ、マリネードをかけたタル・タル=Fotodom撮影
さて、ロシアから一歩外に出ると、有名なタタール料理はこれではなく、タル・タルになる。たっぷりの荒挽き生肉の上に生の卵黄をのせ、マリネードをかけた料理だ。
欧州料理の中に深く溶け込んだタル・タルは、なぜか「タルタルステーキ」としてレシピ本に紹介されているものの、その民族的な特徴は失っていない。
つまり熱処理しない代わりに、高品質、高鮮度の材料を使い、危険な生食料理にしないという決まりごとは守られているのだ。
質の高い食材はシンプルながらおいしい民族料理の秘訣(ひけつ)である。スパイスを最小限に使い、簡単な料理方法でつくるのに、絶品ができてしまう。
タタール人がボルガ川流域で飼育する家畜の肉には、まねできないようなおいしさがあるから自慢できる。
タタール料理のほとんどが肉料理だというのは驚きだ。
トルコ人、また、ペルシャとトルコの料理の影響を受けているアゼルバイジャン人など、他のチュルク系民族の料理の優雅さや多様性には及ばないが、少なくともロシア国内では、有数のオーブン料理の一つとなり続けている。
生地を使う料理はタタール人が生まれてからずっと食べるもので、多くが儀式料理だ。
人気の高い、詰め物をしたガチョウ料理はタタール風になると生地の包み焼きになる。
チャク・チャク=Lori/Legion Media撮影
お菓子では、小麦粉の生地を油で揚げて蜂蜜をかけるチャク・チャクが有名で、ロシア各地で売られている。
オーブン料理の中では、お祝いの時などに食卓にのぼるグバジヤという牛肉パイが重要な地位を占めている。
グバジ=Lori / Legion Media撮影
Lori/Legion Media撮影 |
乳酸発酵とアルコール発酵を組み合わせた乳製品。バルカリアで生まれ、タタールスタンに伝わった。
❶ミネラルウオーター(100ミリ)とヨーグルト(300ミリ)を1時間冷やす。
❷ヨーグルトをボウルに入れて泡だて器で混ぜる。
❸混ぜながら、ミネラルウオーターを加えていく。
❹アイランをグラスにそそぎ、氷を加える。
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