バレエ「カラマーゾフ一家」

=ロシースカヤ・ガゼタ/オレグ・コソフ撮影

=ロシースカヤ・ガゼタ/オレグ・コソフ撮影

タタール国立オペラ・バレエ・アカデミー劇場で、バレエ「カラマーゾフ一家」が、ボリス・エイフマン氏の新しい振付で18年ぶりに再演された。

 バレエの振付家であるボリス・エイフマン氏が、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」をアレンジしたバレエを、18年ぶりに上演した。数々の賞を総なめにしたこのバレエは、完成させるというよりも、変化が必要だったのかもしれない。

 

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 エイフマン氏は振付けをすべて変え、劇作法も新しくした。それでも、温和なアレクセイ、陽気なドミトリー、無愛想で該博なイワン、好色でいつで も酒を飲んでいるフョードルと、主役は驚くほど小説に忠実に再現されている。観客席にいると、舞台を見ているというよりも、息吹を与えられた小説が目の前 にあるような、おかしな感じがする。文字が具現化されているのだ。

 ボディーランゲージで、ドストエフスキーが表現した、不可思議なロシア人の心を伝えることができてしまう。

 

幸福と神の探求 

 「カラマーゾフの兄弟」とは、何よりもイデオロギー小説だ。エイフマン氏は、人間の幸せの模索というテーマを解明したかったと話す。独裁と自由のどちらの道が、幸福に導いてくれるのだろうか。

 「この問題は、ロシアの知識人を常に悩ませてきたし、現在も我々の多くを悩ませています。これは自分の中の神を探すという問題でもありますが、宗教的なものではなく、人間のあるべき姿のもととなる、道徳的価値観としての神なのです」。

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