モスクワの路面電車、1910年代。
当時モスクワの市内交通は、馬車鉄道が主力だったが、産業革命で増大する都市人口をさばき切れず、また馬車鉄道のレール、車両その他の設備も老朽化していた。
ヨーロッパでは、19世紀半ばから馬車鉄道の動力を、蒸気機関など馬以外に代える試みがなされ、1879年には、ドイツのシーメンス社が路面電車を開発してベルリン博覧会でデモ走行させた。
電気は3本目のレールから供給されていたが、1881年にやはりシーメンスが架線から電気を受ける「架空電車線方式」を開発し、以来、路面電車は欧米各地に急速に広まっていった。
ロシア帝国最初の路面電車は、1892年にキエフに導入された。以後、1896年にニジニ・ノヴゴロド、1897年にウクライナのエカテリノスラフ(現ドニエプロペトロフスク)、1898年にヴィテブスク、クルスク、セヴァストーポリ、オリョール、1899年に、ウクライナのクレメンチューク、モスクワ、カザン、ジトーミルと、導入が加速する。
ちなみに日本では、1895年に京都で開通した京都電気鉄道(後の京都市電)が最初だ。
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