ロシア初の鉄道の建設が決定される

ツァールスコエ・セロー駅 写真提供:wikipedia.org

ツァールスコエ・セロー駅 写真提供:wikipedia.org

1836年の今日、4月3日に、サンクトペテルブルクとツァールスコエ・セロー間27キロの鉄道の建設が決定された。これはロシア初の鉄道で、世界では6番目となる。レール、機関車などの資材は、鉄道先進国イギリスから輸入された。

 鉄道という交通システムの起源は古く、約2000年前にローマ帝国で、切石による軌道を馬車が走っている。

 16世紀中ごろには、木製のレールが、イギリス、ドイツなどの鉱山で使われ始めた。これに、1769年に効率の良い蒸気機関がジェームズ・ワットにより発明されたことで、前提条件はだいたい揃ったことになる。

 

8両編成で最高時速64キロ! 

 世界初の商業鉄道は、イギリスのストックトン・ダーリントン間の鉄道で、1825年に開通。以後、1827年にアメリカ、1832年にフランス、1835年にドイツと続々と鉄道が開業し、ロシアでも鉄道建設の機運が盛り上がって、初の鉄道建設となった。

 開業は1837年11月11日で、機関車はイギリス製、車両は8両編成。2時30分にサンクトペテルブルクを出発し、35分後に「ウラー!」の大歓声のなか、ツァールスコエ・セローに到着した。往路はさらに速く、27分で着いている。最高時速は64キロに達し、平均時速51キロで走っている。

 

「鉄道建設は社会を流動化させて危険」? 

 ペテルブルク・モスクワ間の鉄道は、1843年に着工し、51年に開通した。

 ロシアでは、キエフ・ルーシ時代から19世紀前半までほぼ1千年にわたり、ドニエプル川からモスクワ川にいたる「ドニエプル水系」が交通の大動脈だった。鉄道網の建設は、ロシアの近代化を大いに加速する可能性があったが、皇帝ニコライ1世は、鉄道建設は社会を流動化させて危険であるとして、ブレーキをかけてしまった…。

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