かわいいネコ劇場にネコ寺院

モスクワには「ユーリー・ククラチョフ・ネコ劇場」という、世界に一つしかない珍しい劇場がある。その名の通り、ネコが芸を見せたり、演技をしたり、ピエロと戯れたりする、かわいくて楽しい劇場で、見ていると大人も思わず童心に返ってしまう。ここは、伝説的なピエロ兼調教師であるユーリー・ククラチョフ氏が、有志と1990年に創設した。現在は修復工事のために閉鎖中だが、ネコ寺院という新たなプロジェクトを増設し、3月22日から順次新装開館していく。

 劇場は2011年から閉鎖されているが、近くに位置する民俗センターでショーは続けられている。

 ネコ寺院とはネコ・カフェのようなもので、ネコをさわったりできるふれあいの場もあるようだ。単なるサービスの場ではなく、広々とした空間に、120匹の俳優・女優ネコたちが生活をするようになる。

 

 ネコと遊びながら教育 

 ククラチョフ氏は劇場を一時閉鎖する際、ネコ寺院が子供と大人のための遊び場兼教育施設になると話していた。ペルシャネコにはペルシャじゅうたん、シベリアネコには装飾的なシベリアの街かど、アメリカネコにはマンハッタンと、特徴にあった環境が用意され、各種類のネコからそれぞれ一匹(劇場には36種いる)が登場してくる。ククラチョフ氏は、ペットのネコや犬の調教教室、寺院への来場者がネコと戯れることのできるような特別な遊び道具、保護者と子供がネコをなでながら聴ける心理学者の授業など、遊びと教育の一連のプログラムを来場者のために作成した。

 「ネコアレルギーの児童のために、特別な呼吸法練習の教室も開催する。私自身も長年この運動をしているし、子供時代にネコの毛にアレルギー反応を起こしていたうちの息子のドミトリーも、この方法で練習したんだ」。

 

 「ネコを服従させることはできない」 

 ククラチョフ氏は現在64歳で、うち40年以上もネコの調教とピエロの演技を続けており、ソ連時代は児童番組のスターだった。現在この劇場では息子のドミトリー・ククラチョフ氏も、ピエロとネコの調教をしている。

 ユーリー・ククラチョフ氏によると、ペットのネコを調教することは極めて困難だが、トリックを使えばそれができるという。ネコと遊び、そのネコの才能と特徴を見い出し、それにもとづいてトリックを考案するのだ。「ネコに『アメとムチ』の原則は効かない。"交渉"しかない。一日エサを与えなかったら、ネコの胃と肝臓の痛みが始まるし、叩いたら、信頼を失う。ネコを服従させるのは無理だ」と「論拠と真実」紙に語った。

 ユーリー・ククラチョフ・ネコ劇場(Yurii Kuklachev's Cat Theater)の所在地は、モスクワ市クツゾフスキー大通り25(25 Kutuzovskii Prospect, Moscow)。