=Hideya HAMANO撮影 /flickr.com
ニコライ2世の提唱で開かれる
企画展「ハーグ万国平和会議」はその名の通り、万国平和会議をテーマとしている。
この会議はロシアの皇帝ニコライ2世が提唱して、1899年にオランダのハーグで第1回目が行われたもので、戦争捕虜や戦争負傷者への対応に関する国際法が初めて定められた。
この5年後の1904年に日露戦争が勃発したため、この会議の決定を初めて適用した国は日本とロシアになる。
「坂の上の雲ミュージアム」の学芸員、石丸耕一さんはこう話す。
「日露戦争の捕虜が製作した物を展示している。ロシア人捕虜が製作したバラライカ、バイオリン、絵画、ノート、またロシアのメドヴェジ村で捕虜生活を送っていた日本人が製作した月琴や三味線といった日本の楽器もある。日本の楽器はサンクトペテルブルクにあるシェレメチェフ宮殿、すなわち音楽博物館より提供いただいた」。
「誓いのコイン」の金貨も
バラライカとバイオリンは、京都東山にある東福寺に保管されていたもので、博物館で展示されるのは初めて。また石丸さんによると、ひとつの戦争で双方の捕虜が製作した楽器が、一緒に展示されるのも初めてだという。
これ以外にも、ロシア人将校と日本人看護婦の名前が刻まれた、ロシア帝国の金貨も展示されている。愛媛県の「坊っちゃん劇場」が昨年秋、この金貨をもとにした二人の愛のミュージカル「誓いのコイン」をモスクワで上演し、この金貨の存在が広く知られることとなった。
日露戦争の際、のべ6000人のロシア人捕虜が松山市に滞在した。日本は当時、「ハーグ陸戦条約」の締結を目指していたため、国際社会の全権の一員としてふさわしいことを証明しようと、人道的条件で捕虜を受け入れていた。ロシア人捕虜は自由に街中を歩き、買い物をし、温泉に行っていた。
*記事全文(ロシア語)
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。