Eldar Vagapov撮影
万能の天才と経済改革者が創設
モスクワ大学は、今日にいたるまでロシアの学術研究の一大中心でありつづけている。その創設のきっかけをつくったのは、科学者で詩人のミハイル・ロモノーソフ(1711~1765)。
彼は、自然科学の各分野からロシア文法にいたるまで、傑出した業績を残した万能の天才で、高等教育機関開設の必要を痛感しており、元老院に建言した。
彼のパトロンになったのが、エリザヴェータ女帝時代に実権を握っていたシュヴァーロフ家の人々だ。
彼らは大ざっぱに言えば、重商主義者で、貴族の特権には手をつけなかったが、商業、産業の育成を図り、実績を上げた。また、商人にも農奴所有を認めるべきとの考えをもっていたが、この点でヴォロンツォーフ家の人々と対立し、彼らとの政争に敗れ、表舞台から去っていく。
聖タチアナの日
ところで、1月12日は、聖タチアナの日である。タチアナは、ローマで生まれ、226年1月12日に殉教したと伝えられる。とくに正教会で尊崇されている聖人だ。
そのため、この日は、モスクワ大学創設記念日として、のちにはすべての学生のお祭りとして祝われるようになった。
1836年には、モスクワ大学の構内に、聖タチアナ教会が建てられた。特徴ある円形の建物で、クレムリンに隣接するマネージ広場の向かいに現存する。
聖タチアナの日は、帝政時代には、陽気かつ盛大に祝われ、学生も教師も酔っ払う者が少なくなかった。しかし、この日は、悪名高い憲兵も、酔っ払い学生を親切に介抱したとか。
この習慣は革命後に廃れたが、ソ連崩壊後復活し、2005年からは、1月25日が「ロシア学生の日」と定められた。
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