ボストーク湖の凍結水を再び採取

ボストーク湖の氷(凍結水)の物理特性は、普通の氷の特性とはまったく異なっている可能性がある =SCIENCE PHOTO LIBRARY/East News撮影

ボストーク湖の氷(凍結水)の物理特性は、普通の氷の特性とはまったく異なっている可能性がある =SCIENCE PHOTO LIBRARY/East News撮影

ボストーク湖の氷(凍結水)の物理特性は、普通の氷の特性とはまったく異なっている可能性がある。ロシア南極観測活動計画センターのヴャチェスラフ・マルチヤノフ所長が語った。

第57次ロシア南極観測隊は昨年2月初め、数十年に渡る掘削活動を経て、初めて南極大陸最大の地底湖である、3768メートルの深さに眠るボストーク湖に到達した。この際採取した最初の試料水を後に分析した結果、ほとんど微生物が含まれていないことが判明したものの、研究者はこの試料水がボストーク湖の水であるという確信を持つことができないでいた。そのため、今年1月1日から掘削孔を再度掘ることとなった。

奇妙な形状の氷 

深さ3383メートルで新氷に到達し、1月10日には深さ3406メートルの場所で、湖から圧力によって上昇し、凍結した透明氷の試料を採取することができた。

「掘削孔で最初に到達した氷は、不透明で多孔質かつ真っ白な、よくわからない氷だった。同位体組成や生物学の調査用に、この氷の試料をすべて採取しておいたが、そこから20メートル下に透明な氷が現れた。この氷の内部には白い氷が線状に混入して凍結していた。掘削孔内部の著しい圧力の条件下で、どのように氷ができたかという物理的な調査はまだできていない」とマルチヤノフ所長は説明した。また、掘削孔内で凍結した湖の水には、普通の氷とはまったく異なる物理特性がある可能性があるとも話した。ただ、この点についてはこの先証明していかなければならないという。

今わかっていることといえば、世界中のいかなる研究所でも、3768メートルの氷床を掘削して得られる条件を、すべて構築することは不可能であるということだけだ。

「掘削孔でどのような氷が見つかるか、誰も理論的に予測することはできなかった。今は事実を記録することしかできない。採集した試料を持ち帰り、研究者が調査して理論を構築すれば、何かを明らかにすることができる」。

試料はすべて5月に、調査船「アカデミク・フョードロフ」号でサンクトペテルブルクに運ばれる。