別の小惑星でアポフィスを「打ち落とす」

小惑星アポフィスは、2029年4月13日には、地表からおよそ32,500kmの地点を通過すると予測されており、2036年から2013年の間にも、地球に6回ほど接近し、衝突する可能性がわずかながらある。=AFP/East News撮影

小惑星アポフィスは、2029年4月13日には、地表からおよそ32,500kmの地点を通過すると予測されており、2036年から2013年の間にも、地球に6回ほど接近し、衝突する可能性がわずかながらある。=AFP/East News撮影

ロシアの学者らが、小惑星のアポフィス落下から地球を守る新しい方法を開発した。危険な天体に別の小惑星を衝突させて、その天体を危険予測軌道から逸らすことを提案している。

「それは小さな小惑星を、危険で、より大きな小惑星に向かわせること。その仕かけは、この『砲弾』小惑星の軌道を、望む方向に変えるために、地球周辺でスイングバイ(重力アシスト)を利用するやり方だ。スイングバイによって秒速3キロまで加速できるが、小惑星を軌道に乗せるために必要なスイングバイの加速は、わずか秒速2.5メートル」と、プロジェクト立案者の一人であるロシア科学アカデミー宇宙探査研究所首席研究員ナタン・エイスモント氏がロシア通信社・ノーボスチに語った。

衝突の可能性は数十万分の1 

小惑星アポフィスは、2029年4月13日には、地表からおよそ32,500kmの地点を通過すると予測されており、2036年から2013年の間にも、地球に6回ほど接近し、衝突する可能性がわずかながらある。その確率は、数十万分の1という説もあるが、現時点では正確な推定は不可能だ。

エイスモント氏が加わっているグループ、さらに宇宙探査研究所と国立経済高等学院モスクワ電子工学・数学研究所の学者らは、米国の学者デイビッド・ダンハム氏の指導のもとに、小宇宙・彗星の危険を防御する方法を数学的にシミュレーションする実験所をロシアに創設した。

すでにプロジェクトを作成 

現在、学者らはすでに、理論上は2036年に地球を脅かすかもしれない小惑星アポフィスの衝突から地球を守るプロジェクトを準備した。

エイスモント氏とその同僚らは、この「砲弾」小惑星をスイングバイによって加速させ、アポフィスを危険軌道から打ち落とすことを提案している。スイングバイは、惑星の重力を利用して、宇宙機の速度を大きく増大させることができる。これによって多くの惑星間機器は、ほとんど燃料を使わずに、太陽系の遠い片隅に送られる。

エイスモント氏によれば「計算結果だと、15メートル径、質量1400トンの『砲弾』小惑星の地球周辺でのスイングに必要なのは、燃料(四酸化窒素・非対称ジメチルヒドラジン)1.5トンと、重さ約30キロのエンジンで十分だ」とのこと。

学者らは、ソユーズ・ロケットでマヤーク機器を打ち上げ、アポフィスに着陸させる。もう一つの機器である「砲弾」用エンジンは、プロトン・ロケットで打ち上げる。

「砲弾」候補は小惑星2011UK10

もっとも相応しい「砲弾」候補と学者らが考えているのは、小惑星2011UK10だ。2027年6月にアポフィスを「打ち落とす」には、そのためのエンジンを2021年12月に打ち上げねばならず、着陸が2022年8月に行われねばならない。2031年に「砲弾」をアポフィスに衝突させるという、もう一つのミッション案もある。

エイスモント氏は、同氏とその同僚らによって提案された方法が最も効果的な方法の一つだと考えている。

別の方法たとえば、「重力トラクター」(引力によって小惑星の軌道を徐々にずらす、重量級人工衛星)の利用や、太陽光圧を高めるため、光を反射する塗料を天体に塗るなどは、あまりにも小惑星への作用が弱く、きわめて長期間を要する。

プロジェクトの指導者デイビッド・ダンハム氏によれば、プロジェクトに関する報告が、2013年4月に米国アリゾナ州で開催される惑星防御会議で行われるとのことだ。

*元原稿