石油に終焉の鐘が鳴り響く

写真提供:flickr.com / by 4BlueEyes Pete Williamson

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20世紀全般を支配していた石油時代も、終焉の時に差しかかっている。最重要資源だった石油も近い将来、その座を明け渡すことになるだろう。はたしてロシアはその変化に対する準備ができているだろうか。

石油科学の課題

石油・ガス地質学は地質学の応用分野だ。ここ40年がこの科学分野の最盛期だったし、それはソ連でもロシアでもそうだった。新しい油田やガス田が発見され、簡単な採掘法を築くことが主要な課題となっていた。だが現在、歴史的変化が起こっており、また勢力バランスも変わってきていると、ロシア連邦教育・科学省およびロシア科学アカデミーの「石油・ガス研究所」のアナトーリ・ドミトリエフスキー所長は話す。

「先進国の前には、全世界の未来を変えるほどの、とても大きな問題が立ちはだかっている。20世紀全般に渡って続いた石油時代も、終わりに差しかかっていると言えるだろう。内燃機関は世界を変え、労働生産性を飛躍させ、新興国や発展途上国の人口急増は、さらに原油の需要を高めている。しかしながら、埋蔵量は有限だ。従来の採掘方法では消費をまかない切れない。原油価格が高騰している中、これまでになかったような新たな技術が優位に立ってきている」。

ロシアにとって、原油価格依存から抜けきる対策を定めることが、かつてないほどの緊急課題となっている。

 

 シェール・ガスは悪夢か革命か

ここ数年、シェール・ガスの採掘は伸びている。アメリカだけが盛り上がっているわけではない。現在発見されているシェール・ガス田は、38ヶ国にあり、中国も真剣にシェール・ガス開発に取り組んでいる。西ヨーロッパはロシアのガスの代替資源を探そうとしているにもかかわらず、今のところシェール・ガスには関心を特に示していないが、採掘に取り組む長期計画を立てている。

つまり、シェール・ガスを取り巻く状況は、ロシア政府が考えていたよりも急展開しているということだ。プーチン大統領は10月、シェール・ガス採掘量の伸びがエネルギー市場の世界的変化を起していることが、「ガスプロム」にとって危険な現象であると指摘し、ロシア・エネルギー省に対して、2030年までのガス分野発展総合計画を修正するよう命じて、ようやくこの問題を提起した。

そうこうしているうちに、第二のシェール革命が始まった。ガスと同じように、シェール・オイルも採掘できることが判明したのだ。開発は始まったばかりだが、すでにこれがかなり将来性のある資源であることは明白だ。西側の専門家によると、アメリカのシェール・オイル埋蔵量は、サウジアラビアの従来の石油埋蔵量の5倍もあるという。

 

 石油・ガスのイノベーション

ロシアには石油・ガス分野の革新的開発が少ないという、もうひとつの問題があり、専門家は毎年のようにそれを指摘している。

ロシア最大手投資会社「リーデル」ベンチャー投資部の、コンスタンチン・ナデネンコ部長はこう説明する。

「イノベーションの開発自体は、ロシアでもかなりたくさん行われているが、問題はその商業化と石油・ガス分野への導入だ。また、ロシアの石油会社と、技術サービス部門の請負会社とは癒着しているので、競争原理が働かない。これは技術革新を促すものではない」。

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