写真提供:http://save-sava-kun.org/
サベーリー君(愛称サバ君)はもう入院生活に慣れっこになった。手に巻かれた点滴の管を固定する包帯も、積み木で塔を作ったり絵を描いたりする大好きな遊びの邪魔にはならない。幼い患者―サベーリー君は12月に2歳になる―の世界は、病室のほかは、ママと一緒に定期的に化学治療と検査に通う廊下だけだ。重度の血液ガンである急性骨髄性白血病という恐ろしい診断がハバロフスクで下されたのは、半年以上前のこと。夏の終わりまでサベーリー君の容態は悪化していった。
病院の医局でサベーリー君の母親は、ロシアで受け取ったカルテを見せる。9月にはサベーリー君はモスクワに送られたが、ロシア小児クリニック病院の医者には救えないことがわかった。
余命2日の宣告
「私たちがモスクワに行き、検査を受けたあと、お子さんの生命はあと2日だと言われました。検査結果によると、子どもは肺が完全に冒されており、治る見込みはないとのことでした」と、サベーリー君の母親ゴルシコワ・イリーナ・ベルガーソワさんは回想する。
緊急体制で、この種の病気の治療経験のある諸外国の医療センターへの照会が行われた。日本が選ばれたのは、いち早く東京の病院が、サベーリー君を受け入れる用意があると表明したからだ。ドイツ、韓国、イスラエルの病院も受け入れに同意した。サベーリー君は10月にこの病院に入院した。その間に基本的な数値は明らかに改善され、包帯を巻いた手に目を向けなければ、サベーリー君は外見ではまったく正常に見える。この数ヶ月で回復の見込みが生まれたのは初めてだ。
骨髄移植が最後の望み
サベーリー君の容態を医者たちは満足すべきものと呼んでいる。待ち望んでいた寛解(白血病細胞が血液中から消える状態)が訪れ、今は一刻の猶予もならない。骨髄移植が最後の望みだ。手術費用は25万ドル。ハバロフスクの若い両親に、そんなお金はない。
すでに夏の間にソーシャル・ネットワークで精力的な資金集めキャンペーンが展開された。このキャンペーンのおかげで、サベーリー君と両親を日本に送るのに必要な額の資金が集められたのだ。近くインターネットで、送金のための必要事項と、サベーリー君の容態情報を伝える「サバ(サベーリー君)を救え」オフィシャル・サイトが開設される。医師の言葉によれば、もし治療が予定どおりに進めば、骨髄移植手術は1月にも行われるだろうとのこと。
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