「ニワ」新聞、1914年。ロシア皇帝ニコライ2世(左)、 イギリス国王ジョージ5世、ベルギー国王アルベール1世 =写真提供:wikipedia.org
未知の書簡、写真、オリガ大公女の絵画…
このオークションには3000点以上、総額300万スイス・フラン(約2億6500万円)相当の品が出品されるが、そのうちの多くがヨーロッパやロシアの王族に関連する品だ。
12月10日に特別ロシア・オークションで幕を開け、これまで知られていなかったニコライ2世の手紙や家族の写真の競売が行われる。
オークションの専門家によると、1915年までロシア帝国軍の最高司令官を務めていたニコライ・ニコラエヴィチ大公にあてて、ニコライ2世が第一次世界大戦中に書いた、直筆の書簡が出品書類の中に含まれるという。この軍事的・政治的な内容の書簡は、ロシアの世界大戦への参戦についてのみならず、自分の軍隊の運命を憂慮する皇帝の個人的な感情などについても記されている、歴史的に極めて価値の高い文書だ。
アレクサンドル2世の愛人への恋文も
アレクサンドル2世が愛人のエカチェリーナ・ドルゴルーコワに送った、情熱的な恋文もオークションに出品される。46ページほどある愛の手紙は、5000~8000スイス・フラン(約44~70万円)と評価されている。
また、アレクセイ皇太子の子供時代の写真、またミハイル・アレクサンドロヴィチ大公が宮殿の一間で筋力トレーニングをしている様子、妹のオリガ・アレクサンドロヴナ大公女とクロッケーで遊んでいる様子など、ロマノフ一家のプライベートな家族写真、アナスタシア・ニコラエヴナ大公女とオリガ・ニコラエヴナ大公女の子供時代の写真などが100点ほどある。収集家には垂涎の的の、オリガの描いた水彩画も出品される。
アレクサンドル3世の子供の教師が保管していた
多くの品が、フェルディナンド・トルメイエルと、フェリックス・ユスポフ公のコレクションだ。トルメイエルは、アレクサンドル3世の子供たちの教師で、数年前に遺産相続者がコレクションを発見し、一部を競売にかけていた。ユスポフ公は、怪僧ラスプーチン暗殺の主犯とされ、回想録も残している。
ロシア帝国時代の本、ロシア芸術の珍品、ファベルジェの銀食器、孔雀石の装飾がほどこされた家具なども競売にかけられる。
フアン・カルロス1世の祖母の遺品も
この他のオークション品としては、イギリスのヴィクトリア女王の孫娘で、現在のスペインのフアン・カルロス1世の祖母にあたる、ヴィクトリア・ユージェニー・オブ・バッテンバーグの個人的なコレクションもあり、そこにはルビーやエメラルドなどの宝石の王族モノグラムが入った扇子(3000~5000スイス・フラン≒27~44万円)、金とエナメルの聖アレクサンドル・ネフスキー勲章(1万~1万5000スイス・フラン≒88~132万円)などが含まれる。
これ以降の日のオークションでは、ワイン、高価な品、時計、珍しい列車模型、先コロンブス期の考古学的発掘品などの競売も行われる。
*元原稿
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