グロナスの維持を国際社会に約束

=ロシア通信撮影

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ロシア政府は、「グロナス」(GLONASS=全地球的航法衛星システム)の無料使用について、国際社会と国際民間航空機関(ICAO)に正式な発表を行う準備をしている。ロシア連邦宇宙局の関係者によると、11月19日にモントリオールで始まる第12回ICAO国際航空航法フォーラムで、ロシア政府の名で発表が行われるという。

宇宙局が作成した発表内容には、ICAOの規格と、推奨される運用方法に準拠するグロナスの許容パラメータと精度特性を、最低15年維持するとのロシアの義務が記されている。さらに、精度をごまかすような方法を用いないことも確証されている(検査時に意図的に対象物を消すなど)。

グロナスに関する発表は、副首相ウラジスラフ・スルコフ氏率いる作業部会の指示にもとづいて作成された。この作業部会は、6月28日に行われた会議で、グロナスの海外展開について話し合いを行っていた。この会議の席で、ウラジーミル・ポポフキン宇宙局長官は、1996年にロシアはすでにこのような発表を行ったこと、そしてグロナスの15年間の維持も約束したことを伝えた。この期間は2011年夏に切れたため、再び発表を行おうというものだ。

前回の約束は経済難等で不履行 

1996年のロシアによるグロナス維持の約束は、履行されず、ICAOと国際社会をだましたような形になっていた。

理由は、グロナスへの予算配分が定期的に行われていなかったこと、そして、ロシア連邦特別プログラム「全地球的航法衛星システム」採択時の2001年の時点では、まともに稼動する衛星は6基しか残っていなかったことだ。十分なサービスを行うには、軌道上に衛星24基が必要である。

今回も予算面で不安が 

現在グロナス軌道群には31基ある。衛星24基が目的任務遂行のために稼働、その他2基がメンテナンス、4基が予備、1基が試験飛行にあてられている。地球上には、来年打ち上げ予定の完成した衛星3基があり、その中には予備衛星も含まれている。今後数年でグロナスの運命は比較的明確になるが、長期的な見通しについては、1990年代末と同様、プログラムの予算が不確定なことから、宇宙局には懸念する声もある。

「財務省が提案している資金では、グロナス軌道群の衛星が2016年から2018年までに10基に減り、新たな衛星『グロナスK』の展開が遅れてしまう。ユーザーは自分の居場所を常に知る可能性を失い、国際社会のグロナスに対する信頼が消える」と、8月にポポフキン長官は、プーチン大統領にあてた書簡で説明した。

約束すれば予算が下りる? 

こうした背景から、必要なレベルにグロナスを維持することを国際社会に約束し、義務を負ってしまえば、政府も予算を割かないわけにはいかず、ある程度は、安定した財源を確保する保障になり、宇宙局とポポフキン長官にはプラスになる。

外務省外交アカデミーの教授で、ICAOの法務問題の専門家であるヴィタリー・ボルドゥノフ氏は、ICAOが航法衛星システム使用についての推奨事項をまとめる可能性があると考えている。

「シカゴ条約(国際民間航空条約)は、推奨される運用方法について、ICAO規格の作成を見込んでいる。ICAOは民間航空の利益のために、宇宙技術についても、推奨される運用方法を別途事項として採択する可能性が高い。ただ、グロナス維持の約束を1回破ったことは、ロシアにとってマイナスであることは間違いない。この点でロシアは恥をかいた」。

一方、民間航空部門の専門家であるセミョン・ベロゴロツキー氏は、既存の「グロナスM」の稼働期間は7年で、1990年代に使われた機器の3年の期間よりも長いことに注目している。そのため、今回は、国際社会への約束が破られる可能性は低いとしている。

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