貝澤哉・野中進・中村唯史編著 せりか書房
刊行: 2012年9月
1910〜20年代ソ連文化理論の展開を主導した批評家集団「ロシア・フォルマリズム」。その業績は1950〜60年代に西側で再発見されて以降、構造 主義や記号学の先駆として高く評価されてきた。彼らが提出した「異化」等の概念は20世紀後半の人文科学に世界的な影響を与えた。
だが「先駆」とは今日の視座からの回顧的・遡及的な位置づけである。フォルマリスト達自身は歴史的変動(社会主義革命)とメディア環境の転換(写真、映画、録音機など複製芸術の発展)の中で、何を考え、何を目指したのか。
全10編の論考は彼らの多面的な思考を当時の状況の内側から考察し、「理論」生成の現場を捉えようとした試みである。「ロシア・フォルマリズム関連用語・人名集」が付いている。
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