写真提供:flickr / OsdPhoto.com
「格安航空会社がロシアでやっていくのは、インフラや法律上の制限によって不可能だ」と、2011年に廃業したロシア格安航空会社「アヴィアノヴァ」の最後の社長、コンスタンチン・テテリン氏が1年前に述べている。この廃業後、ロシアには近い将来、格安航空会社が生まれないのではないかと思われた。
ところが10月中旬に突如として、中小企業競争発展政府委員会が、運輸省と経済開発貿易省に、「外国の航空会社の誘致を含めた」低価格輸送の発展のための条件を整備し、航空輸送市場で競争刺激モデルを提案するように指示したのだ。
早くもイージージェットが名乗り
その1週間後、イギリス最大手の格安航空会社イージージェットが、2013年春にロンドン-モスクワ線を週2便就航させると発表した。最低航空券価格は、諸手数料・税込で、約6500ルーブル(約1万6500円)。
この価格を他社と比べてみると、ロシアの航空会社アエロフロート、ブリティッシュ・エアウェイズ、その他の航空会社の3月の価格は1万1000ルーブル以上(約2万8000円強)、乗り継ぎ便のエア・バルティックやルフトハンザでも、約9000ルーブル(約2万2800円)である。イージージェットは、近い将来ではないものの、ロシアの国内線の就航も計画している。
欧州最大手ライアンエアーも申請
また、ヨーロッパ最大の格安航空会社ライアンエアーも、ロシア-アイルランド線の就航申請を提出した。たしかに、モスクワ-ダブリン線はメインストリームではないが、これは観測気球かもしれない。ライアンエアーが、モスクワ、サンクトペテルブルクと、リガ、トルコの各都市などを格安路線で結んだら、そこをハブ空港(広域航空路線網の中心として機能する空港)にしてあらゆる場所に3000ルーブル(約7600円)ほどで飛べることになる。
専門家らが、安くてお得なサービスを提案する外国人がロシアで失敗する理由を並べ立てる間もなく、突如としてアエロフロートが、法改正後すぐ、それも1年後に、格安航空の子会社を設立すると言い出した。その子会社の専用空港まで建設されるという。
アエロフロートが34路線で独占廃止へ
アエロフロートのヴィタリー・サヴェリエフ社長は、プーチン大統領に対し、同社が自ら国際34路線の独占をやめるという、独占廃止に取りかかると約束した。運輸省は、格安航空事業の基礎となる、払い戻し不可の航空券に関する法案が、今年末までに国家院に提出されることを希望している。
これは重要な問題だ。ロシア開発対外経済銀行(VEB)のセルゲイ・ワシーリエフ副頭取は最近、このように述べた。「輸送の連結を拡大する必要がある。ソ連時代は国が安い価格でつながっていた。僻地に飛行機が飛んでいなかったら、どこの街も西側の投資家を呼ぶことはできないだろう」。
*記事全文(ロシア語のみ)
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