プーチン大統領がセルジュコフ国防相を更迭

セルゲイ・ショイグ(左)とアナトーリ・セルジュコフ(右) =アレクセイ・ニコリスキー/ロシア通信撮影

セルゲイ・ショイグ(左)とアナトーリ・セルジュコフ(右) =アレクセイ・ニコリスキー/ロシア通信撮影

ウラジーミル・プーチン大統領は、アナトーリ・セルジュコフ国防相を解任し、代わりに20年以上非常事態相を務めた、セルゲイ・ショイグ・モスクワ州知事を任命した。セルジュコフ氏の解任は、軍資産売却の際の汚職問題に関連している。

プーチン大統領「客観的な捜査の条件を整える」 

コメルサント紙によると、11月6日の朝、セルジュコフ氏が大統領との緊急会合に呼び出され、その席で解任を言い渡されたという。大統領は、軍の資産の売却を行っている「オボロンセルビス」ホールディングの捜査と、この解任の関連性を認めた。捜査関係者は、国防相に近い同ホールディングの従業員の一部が、詐欺に関与したと見ている。

大統領は次のように述べた。「あらゆる問題を客観的に調査できるような条件を整備するため、国防省をめぐる問題を念頭に置いたうえで、セルジュコフ国防相を解任する決定を行った」。

ロシアの各紙は、セルジュコフ国防相更迭のニュースが、本人にとっても、捜査状況を注視していた専門家にとっても、予想外だったと書いている。多くの専門家が1週間前には、「オボロンセルビス」事件が国防相の立場を危うくする可能性があるが、更迭はできないだろうと言っていたが、その読みは外れた。

政界の反応はさまざま 

セルジュコフ氏解任に対する、ロシアの政界の反応はさまざまだ。極右のロシア自由民主党は、これを残念な結果だと考えている。「セルジュコフ氏が去ったことは遺憾だ。氏は、国防省を大きく改革し、貢献した」と、同党員で下院(国家会議)防衛委員会第一副議長のセルゲイ・ジガレフ氏はリア・ノボスチ氏に語った。

ジガレフ氏によると、セルジュコフ氏が国防省の大臣を務めていた期間に、軍人の住宅問題がほぼ解決され、軍の大改革や軍備更新・現代化プログラムが始められたという。

一方で、共産党と「公正ロシア」党は、大統領の決定に満足している。「公正ロシア」党員のミハイル・エミリヤノフ氏は、次のように述べた。「軍とはまったく畑違いの人間で、軍に多くの悪影響を及ぼした。後任の国防相のもとでは、無意味な外国製武器の輸入や、軍、軍学校の縮小が止まり、軍が局地的な紛争だけでなく、大規模な戦争にも対応できるようになることを何よりも期待する」。

後任人事はおおむね評価 

解任については意見がわかれているものの、大統領の新しい国防相の選任については、おおむね評価されている。ジガレフ氏は、ショイグ新国防相が非常事態省を事実上ゼロから立ち上げているなど、軍の改革を全うするに十分な経験があり、さらに前任者とは異なり、軍をよく知る人間であると説明する。

今回のセルジュコフ氏更迭の理由が、反汚職であるということも注目されている。経済的汚職に対する調査において、これほどの高官が槍玉にあがるのは初めてで、インパクトのある処分は、現政権のイメージを高めることにもなる。

*ロシア通信とコメルサント紙を参照。