増え続ける宇宙ゴミ

Press Photo撮影

Press Photo撮影

国際宇宙ステーションと飛行空間をめぐって争うライバルが現れた。とは言っても、新たな宇宙探査機の話ではなく、宇宙ゴミの話だ。地球のまわりがゴミだらけとなっている問題は、世界の宇宙開発分野も無視できなくなっている。

8月に、ロシアの上段ロケット「ブリーズM」は、通信衛星「エクスプレスMD2」と「テルコム3」の静止軌道投入に失敗し、10月中旬に近地球軌道で分解した。

宇宙ゴミ放出国ランキング
(宇宙大国の開発で生じたゴミの数、NASAデータ)

1.      ロシア 6195

2.      アメリカ 4946

3.      中国 3726

4.      フランス 492

5.      日本 277

6.      インド 175

モスクワ郊外の飛行管制センターの専門家によると、「ブリーズM」は、地球上の5000キロから250キロの高さの軌道で、大きく約5つの部分に分解したという。この破損部分は、地上約400キロにある国際宇宙ステーションを含め、この周辺に位置するあらゆる宇宙機を脅かす可能性がある。

オーストラリアの天文学者、ロバート・マックノート氏は、ロシアのマスコミに対し、「ブリーズM」は細かい部分も含めると100以上の破片に分解し、軌道上の宇宙ゴミはその分だけ増えたと述べた。

10センチ以上のゴミは1万個前後 

NASAが数年前に行った評価によると、宇宙には10センチ以上の大きさのゴミが8000個以上、1~10センチほどのゴミが数万個、1センチ以下のものが数十万個ある。

ロシア連邦宇宙局が2008年末に行った調査では、10センチ以上の飛行物体が1万2500個あり、うちわずか6%にあたる1000個しか機能していない。40%は役目を終えた機械、使用済み上段ロケット、打上げロケットの最終段、残りの54%は爆発や宇宙機の衝突で散った破片である。30万個以上が1センチから10センチの大きさだ。総質量は5000トン以上になると考えられている。

毎秒10キロメートルで飛行 

宇宙ゴミも世界のあらゆる物と同じで、引力の法則が影響するため、徐々に地球に近づきつつあり、最終的には地表から高さ数十キロの大気圏に突入し燃える。

しかしながら、それには多くの時間がかかる。今後数年で、地球から600キロ以下の高さにある宇宙ゴミには、このようなことが起こる可能性がある。800キロの高さになると数十年、最初に1000キロ以上離れた場所にある物だと数百年になる。

宇宙ゴミの量は、その自然消滅のスピードを上回って増えていくのにくわえ、宇宙空間を1秒間に10キロという速度で進むため、きわめて危険だ。ロシアの専門家のデータによると、わずか0.5ミリの欠片でも、この速度だと宇宙服を破ってしまう。

宇宙ゴミの現状を放置すると、有人宇宙飛行や人工衛星が飛ばせなくなる可能性があると、「工学アカデミー」のユーリ・ザイツェフ氏などの研究者は考えている。現在のところ、宇宙大国であるアメリカとロシアは、衝突を避けるために、宇宙ゴミの動きを追跡し、その軌道を予測することしかできず、ゴミを除去する有効な方法はない。

宇宙ゴミ掃除機 

宇宙開発先進国の宇宙機関は、さまざまな軌道の汚染対策を提案しており、ロシア連邦宇宙局も研究を進めている。9月中旬、連邦宇宙局は宇宙ゴミ回収・処理プログラムに20億ドルを投じると発表した。

そのうちのひとつとして、宇宙会社「エネルギヤ」は、約600個の使われていない人工衛星を回収し、大気圏で燃えるように軌道から外す、特別な宇宙「掃除機」を製造する計画を立ち上げた。この計画によると、2020年までに「掃除機」の開発を完了し、試用する。掃除機の軌道への打ち上げは、2023年までの実現を目指している。同社はさらに、太陽系から入ってくる危険な物体を阻止する、宇宙迎撃機の研究も行っていることを伝えている。