=タス通信撮影
プーチン大統領は60歳という年齢にもかかわらず、依然としてロシア人の目にはつらつとしたエネルギッシュな人物に映っていることが、全ロシア世論調査センターが行った世論調査の結果わかった。ワレリー・フョードロフ所長によると、世論調査は大統領の誕生日に合わせて実施されたという。
還暦記念アンケート
「60歳という年齢は決して若くはないため、国民にとって過去の政治家なのか、活力のある現役の指導者なのかを知りたかった」。プーチン大統領の特徴をよく表わしている表現として、国民に複数選択で回答を求めたところ、全体の85%が「活発、エネルギッシュ」を選び、「消極的、自発性に欠ける」と回答した人はわずか8%だった。また、「肉体的に強健で強い」(83%)、「聡明」(82%)、「賢い」(69%)、「賢くない」(13%)「無分別」(7%)だった。
プーチン大統領の年齢的なイメージについては、62%が「最盛期」にある人と答え、「お年寄り」と答えた人は25%にとどまった。
回答がわかれたのは、政治的手法についての質問で、53%が「現代的な指導者」、35%が「古いタイプの指導者」、残りの12%が「わからない」だった。「古いタイプの指導者」とは必ずしも悪い意味をもたないため、この割れた評価は、マイナスのイメージによるものではないとフョードロフ所長は説明する。
「ソ連時代の方が生活が良かったと考える人々にとっては、古いタイプというのは褒め言葉になる。昔を評価する人々はロシアにとても多い」。
三段論法風の設問?
この世論調査は、10月13日から14日にかけて、ロシアの46地域1600名を対象に行われた。この調査から、ロシア人にとっての「理想的な」大統領のイメージと、プーチン氏の適性は、合っている、という結論が導き出されることになる。
少なくとも国民の33%は、「若く、現代的な」国の指導者を望んでいる。「熟年の経験豊かな政治家」が理想的な指導者だと回答したのは60%で、それを年齢別にみると、18歳から24歳までの層では54%、60歳以上の層では70%となっており、年齢が高い国民ほど指導者の年齢や経験を重視している。
伝統的手法との批判も
選挙技術研究所のエヴゲーニー・スチコフ所長は、「これは社会主義的方法で、プーチンを理想の大統領のモデルに仕上げようとする試みだ」と冷めた見方をしている。
科学アカデミー社会主義研究所のレオンチイ・ブィゾフ上級研究員は、こう述べた。「プーチンが肉体的に強いことはわかるが、それが国民にとってどれほど重要なのかは、この世論調査から見えてこない。新味のない、予想通りの回答しか得られていない。良いことばかり並べて、願望をあたかも真実のように見せるという、“反則”の要素がここにある。プーチン個人に興味を抱く人はどんどん減ってきている」。関心の低下は、他の世論調査で証明されている。
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