スケート・アメリカで金、銀、銅、各1個

ボロソジャル・トラニコフ組は、難しいエレメントすべてをフリーの後半に集中させ、見事に滑りきって、中国のホウ清・トウ健組に9.91点の差をつけて優勝した。=Getty Images/Fotobank撮影

ボロソジャル・トラニコフ組は、難しいエレメントすべてをフリーの後半に集中させ、見事に滑りきって、中国のホウ清・トウ健組に9.91点の差をつけて優勝した。=Getty Images/Fotobank撮影

アメリカのシアトルで開催された2012/2013 ISUグランプリ・シリーズの第1戦、スケート・アメリカ大会で、ロシアのフィギュア・スケーターがまずまずの活躍を見せた。ペアのタチアナ・ボロソジャルとマキシム・トラニコフが金メダル、アイスダンスのエカテリーナ・ボブロワとドミトリー・ソロビヨフが銀メダル、女子シングルのアデリナ・ソトニコワが銅メダルを手にし、男子シングルのコンスタンティン・メニショフはメダルを獲得できなかったものの、4位と健闘した。

今大会、ロシアと外国の入賞者の中で、理想的なプログラム演技を見せた選手は一人もいなかった。男子シングルで銅メダルを獲得した17歳の羽生結弦選手は、ショート・プログラムで見事な滑りを披露し、世界記録の95.07点を獲得したが、フリーのジャンプで3回転倒し、精彩を欠いた。

 

 

 

ボロソジャルとトラニコフ組が金

 

 

タチアナ・ボロソジャルとマキシム・トラニコフのコーチ、ニーナ・モゼル氏は、このペアの演技について、「まあ、こういう結果で終わって良かったです」と一安心。ボロソジャル・トラニコフ組は、難しいエレメントすべてをフリーの後半に集中させ、見事に滑りきって、中国のホウ清・トウ健組に9.91点の差をつけて優勝した。

「シアトルでは落ち着くことができませんでした。日程や現地の気候に順応するのにこんなに苦労したのは初めてでしょう」とモゼル・コーチ。

トラニコフは、失敗だらけだったショート・プログラムの前に、ひどく緊張していたことを打ち明けている。「ニースの世界選手権2012でのショート・プログラムの後で、恐怖感が出てきて、克服できないんです(デス・スパイラルを行っていた際に転倒)。でもフリーではそのような問題はありません」。

 

ボブロワとソロビヨフ組は銀 

 

 

バンクーバー五輪で銀メダル、2011年世界フィギュアスケート選手権で金メダルを獲得している、アメリカのアイスダンスのペアであるメリル・デイヴィスとチャーリー・ホワイト組は、地元の会場の圧倒的な声援を受けて金メダルを獲得し、エカテリーナ・ボブロワとドミトリー・ソロビヨフ組は、カナダのケイトリン・ウィーバーとアンドリュー・ポジェ組と2位を争った。アレクサンドル・ジュリンが指導するこのロシアのペアは、フリーを見事に滑りきり、アンジェリカ・クルィロワ率いるカナダのペアに2.63点の差をつけて銀メダルを獲得した。

ボブロワ・ソロビヨフ組は、今大会直前に行われたフィンランディア杯2012でも、イタリアのアンナ・カッペリーニとルカ・ラノッテ組に勝利して、金メダルを手にしている。

ただ、オレグ・ヴォルコフ第2コーチによると、フィンランドからプログラムを修正し、特にステップ・シークエンスでそれが顕著に表れたという。「何とかやれたという感じですね。二人にはまだ潜在力があるので、今後も長く戦えるでしょう」。

 

不本意だった女子シングルのレオノワ 

 

 

2012年世界フィギュアスケート選手権で銀メダルを獲得した女子シングルのアリョーナ・レオノワは、今大会で優れた演技を見せることができず、ソチで開催されるグランプリ・シリーズ・ファイナル2012への出場が危うくなったが、不振の理由について、はっきりした説明はない。

ニコライ・モロゾフ・コーチは、今大会の開催期間中、アメリカではなく、アイスダンスのエレーナ・イリイヌィフとニキータ・カツァラポフがショーを行っていたイタリアにいた。レオノワは、ショート・プログラムで3回のジャンプを予定していたが、ダブル・アクセルを1回飛んだだけで9位になり、結局、7位に終わった。

 

若手ソトニコワは銅 

 

 

アデリナ・ソトニコワはメダルを獲得するという課題を達成した。トリプル・フリップの代わりにシングル・フリップとなってしまったショート・プログラムでは、わずか1.68点の差でアメリカのアシュリー・ワグナーに1位の座を譲ってしまった。フリーではトリプル・ルッツ-トリプル・トゥループのカスケードに成功したが、フリップで転倒したことと、余分なカスケードによって、アメリカのクリスティーナ・ガオにもかわされ、銅メダルに終わった。

 

男子シングルは日本勢の独壇場 

 

 

男子シングルは、小塚崇彦、羽生結弦、町田樹と日本勢が表彰台を独占した。

ショート・プログラムでトリプル・ルッツの代わりにダブル・ルッツを飛んだコンスタンティン・メニショフは、フリーのトリプル・サルコーで1回転足りず、結局メダルを獲得することはできなかった。エフゲニー・ルカヴィツィン・コーチによると、メニショフは困難を最大限に克服し、ショートとフリーのどちらもなかなかの滑りを見せ(フリーでは4回転トゥループを2回)、課された課題をこなしていたという。

 

「コメルサント」紙の記事抄訳

 

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