才能豊かな若いチェスの選手向けに、学習・練習会とセミナーを行う「チェス・イン・スクール」プログラム 写真提供:cis.fide.com
これはここ数年のチェスの世界で、最も規模が大きく高額なプロジェクトのひとつで、25カ国をカバーする。実際の投資額は正式に発表されていないが、「チェス・イン・スクール」への総投資額は約150万ドル、つまりトップクラスの大会の賞基金の3倍から5倍だ。こうして、ロスネフチは一躍、チェス界で目立つ存在となった。
ロスネフチが最重要視するのは、「ロシアのチェスの希望」プログラムで、投資金額の3分の1が割り当てられるという。
すでに今春から実施されているが、秋になってから、このプログラムの枠内でのイベント数が増えている。練習キャンプはモスクワ郊外、サンクトペテルブルクなど、ロシアの複数の地域で開催された。
サラトフでは、有名なグランド・マスターかつこのプログラムの主要な作成者で、3月に亡くなったユーリー・ラズヴァエフをしのび、チェス・デーが開催された。
来週には、2010年ヨーロッパ・チャンピオンのグランド・マスター、ヤン・ネポムニャシチー(22)と、世界ジュニア大会の勝者で、ロシアのチャンピオンのドミトリー・アンドレイキン(22)の対決も行われる。世界ランキング1位のマグヌス・カールセンは、アンドレイキンが「最も危険な」自分のライバルとなる可能性があると言っている。
「ロシアの知的発展への戦略的投資」
ロスネフチは、すでにさまざまなスポーツの大規模プロジェクトのスポンサーとなっているが、このたびチェス界にも参入した理由について、同社の関係者は次のように述べている。「チェスを支え、知的発展を応援することは、ロシアの未来への戦略的投資なのです」。
モスクワ・チェス連盟のウラジーミル・パリハタ会長は、ロスネフチのこのようなビジネス・戦略は、「未来の世代に向けられた活動が、大手企業の社会的責任の指標になる」ことから、企業イメージを高めると考えている。
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