=AP通信撮影
米国の金融グループ「ゴールドマン・サックス」の専門家らは、ロシアのルーブルが上昇すると確信し、ユーロ・ドル共通通貨バスケットに対する3カ月後の為替予測を、34.5ルーブルと変更した。
専門家の考えでは、短期間予測で、原油高と世界経済の状況がルーブルを押し上げるという。また、欧州中央銀行と米連邦準備制度が金融緩和策や低金利設定を進める一方で、ロシア中央銀行が金利を引き上げていることが、ロシアの国債を諸外国の国債より収益の高いものにする。
量的緩和→原油高
ただし、このような予測が実現するのは、原油価格が1バレルあたり130ドルの場合だ(ゴールドマン・サックスの予測では、2013年第3四半期にブレント原油がこの価格になる)。
ロシア中央銀行の為替政策の運営指針で、多少の余裕をもたせたドル・ユーロ・ペッグ制だ。つまり、ドルとユーロに対する固定相場制である。これは2005年に導入されたが、それまではルーブルは事実上のドルペッグ制だった。共通通貨バスケット導入時は、ドルとユーロの比重は0.1ユーロと0.9ユーロと定められていたが、2007年2月に0.45ユーロと0.55ドルと設定され、現在まで変わっていない。
このようなルーブル高を予測している外国銀行は、ゴールドマン・サックスに限らない。9月にはJPモルガンが今後数カ月の為替を1ドル29.5ルーブルと試算し、ルーブルの買い持ちになるとした。両投資銀行の論拠は、原油高に比して今のところ相対的に安いルーブル(JPモルガンの第3四半期予測は1バレル95ドルから109ドル、第4四半期は100ドルから105ドルと、それぞれ引き上げられた)、金利引き上げ、貿易収支の改善と、一致している。
ING銀行貿易業務部のスタニスラフ・ヤルシェヴィチュス部長はこう述べる。「ロシア経済は現在、実際に有利に見えます。債務は少なく、収入があり、さらに資本はロシアにまだ入ってきておらず、これから始まるところです」。
資本流出も鈍化
ロシア中銀も資本流出の鈍化を予想している。アレクセイ・ウリュカエフ第一副総裁は、これが「非常にあり得ること」であると10月15日に述べている。露中銀の計算によると、9カ月間の純資本流出は579億ドルだったが、うち第3四半期が136億ドルで、年間では650億ドルになるだろうという。
ロシア経済が、現状維持で推移した場合、2013年末には1ドル34.3ルーブル、2014年末に37.4ルーブルになると、ルネッサンス・キャピタルのアナリスト、イワン・チャカロフ氏は予測する。2013~2014年に、楽観的なシナリオが実現すると、1ドル31.8ルーブル~30.3ルーブルまで上がる。
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