新たな偵察衛星打ち上げ計画

タス通信撮影

タス通信撮影

2013年、ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)と国防省は、ロシア最新型の偵察衛星システム「リアナ」を軌道上に打ち上げる。このシステムは、将来的にレーダー偵察衛星4基まで増え、地表1000キロの高さに位置して、地上、空中、海洋を常時監視し、リアルタイムで敵の飛行機、船、自動車などを見つける。ロシア連邦軍参謀本部の説明によると、対象物の位置座標は、コントロール・センターに伝送されて、実時間仮想マップがつくられ、有事の際には、それらの対象物に精密攻撃が加えられるという。

米偵察衛星に対抗するはずだったが…

同様の機能を果たしているのが、アメリカの「KH-11」と「KH-12」100基からなる偵察衛星システムで、すでに20年ほど軌道上で活動している。

イギリスの出版社「ジェーン」のデータによると、現在ロシアの軌道群には、レーダー偵察宇宙機6基(11F688が2基、17F688が4基)、「ツェリナ」システム無線偵察宇宙機6基、「アラクス」システム写真偵察・光電子偵察宇宙機約30基が存在している。

ロシアではシステムの開発が1990年代初頭に始められていたが、財政問題によってスムーズに進まず、最初の衛星を打ち上げることができたのは、つい最近の2009年11月のことだった。しかも欠陥だらけで、軌道上に残りの衛星を打ち上げるプログラムは延期を余儀なくされた。

「最初の衛星『ロトスS』(14F138)には一連の欠陥があり、軌道に打ち上げてから、機上システムの実に半数近くが機能していないことが判明しました。そのため、開発者に装置の改善を要求しました」と、現在は航空宇宙防衛の一部となっている宇宙軍の関係者は語った。

2013年末に稼動開始の予定 

「ロトスS」(14F138)はすでに修理、更新されており、これに続いて、データを傍受する「ロトスS」(14F145)と、地上、水上などあらゆる表面にある乗用車サイズの対象物を発見できるレーダー偵察衛星「ピオンNKS」(14F139)の2基が、「リアナ」システムとして、2013年末までに軌道に打ち上げられる。

「ピオン」の開発は2013年末に完了し、軌道に上がるが、「リアナ」システムは「ピオン」なしでも稼働できる。2015年までに「リアナ」にはもう1基の「ピオン」が追加され、最終的に4基にまで増える予定となっている。

「リアナ」がこの定格条件に達したら、ソ連時代に製造され、2008年に新たな衛星の製造によって稼働停止となっている、古い衛星システム「レゲンダ」と「ツェリナ」と完全に入れ替わることになる。

小さな目標も発見可能 

「『レゲンダ』の稼働が停止されてから、国防省は偵察と目標指示の装置を早急に必要としていましたが、『リアナ』がその役目を果たすことができます。『レゲンダ』は、アメリカの航空母艦などの軍艦を追跡するという、狭い課題を遂行するためにつくられたもので、このレーダーは、数十メートルの長さの対象物を発見することができました。『リアナ』は小さな対象物でも発見することが可能で、より広い課題を解決する能力があります」と、ロシアの科学月刊誌「宇宙航行学ニュース」の解説者であるイーゴリ・リソフ氏は説明した。

*記事完全版(ロシア語のみ)

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる