写真提供:yandex.ru/Press Photo
グーグル・クロームとオペラの長所を組み合わせる
ヤンデックス・ブラウザは、人気ブラウザであるグーグル・クロームからクロミウムのエンジンや無料のシェル、オペラからサイト訪問時の通信トラフィックを節約できるターボ技術と、優れた特徴をとり入れて組み合わせた。
このブラウザを開発する際、長年ロシア語のインターネットで積み重ねてきた実績も活かされた。
「検索エンジン会社にしかないサイトの構造やコンテンツ、技術についての知識によって、あらゆる面でユーザーをサポートする、新たな質のブラウザをつくることができます」と、ヤンデックスの携帯・ソフトウェア商品部門長であるチグラン・フダヴェルジャン氏は述べた。
グーグル的サービスに自社ブラウザを統合
これは、検索、メール、クラウド・ストレージ、単語やページの自動翻訳機というグーグルとほぼ同じ組み合わせのヤンデックス・サービスに、ブラウザが統合されたという意味だ。検索サイトをヤンデックスから変えることも可能だ。また、ブラウザでPDFを閲覧したり、音声ファイルを聴いたり、フラッシュ動画を見たりすることができる。セキュリティーについては、カスペルスキー・ラボの内臓モジュールと、ユーザーに潜在的な危険性を知らせる有害サイト・ベースが対応する。
最もミニマルな外観
ヤンデックスのデザイナーであるコンスタンチン・ゴルスキーによると、スクリーンショットは検索バー、ブックマーク・バー、「戻る」ボタン、クリック可能な「ヤンデックス」ロゴだけとなっており、ブラウザが市場で最も“ミニマリストな”インターフェイスであるという。ミニマルなイメージを重視した開発チームは、ひとつの表示マークに50種類のデザインを考案した。
自社ブラウザ開発の決定には、ファイヤーボックスの開発者であるモジラ社が、6月にロシア語のディストリビューティブ・プログラム用にグーグルの検索システムを設定する決定を行ったことが影響した可能性もある。ヤンデックスはまだファイヤーボックスやクロームのように、アクセス可能なプログラムとして選択できないが、ユーザーの多くは最初に使い始めた設定をなかなか変えようとはしない。
アプリストアも
ヤンデックスはトラフィックの圧縮だけではなく、アンドロイドのオペレーション・システム用プログラムを4万種頒布できるライセンスもオペラから取得し、開発者用とユーザー用の2部からなるヤンデックス・アプリ・ストアを開設できるようにした。ストアはロシアや外国のプログラムでもアクセスが可能だ。タブレットや電子書籍を製造しているポケットブック(PocketBook)、3Q、テクセト(Texet)や、国内NO.3に入る携帯電話会社メガフォンなどとすでに契約を結んだ。
自社ブラウザとアプリ・ストアを立ちあげることにより、エンド・ユーザーのアクセスに不足していたインフラストラクチャが補足されたと、最高責任者のアルカディー・ヴォロシュ氏は発表した。
検索数は、検索エンジン会社の主な収入源となっている、コンテンツ連動型広告の収入に直接的に影響し、ブラウザは検索ディストリビューションの主なチャンネルのひとつとなっている。
ロシアの「ブラウザ戦争」は激化しており、ヤンデックス社の競合であるメール・ル・グループも、先週アミーゴという自社開発ブラウザを発表したばかりだ。このブラウザはメール・ルのサービスと密接につながっているが、現在は試用のアルファ・ステージにあるため、招待がないと利用することはできない。
アプリ・ストアについては、アマゾン、オペラ、LG、サムスンがアンドロイド用を所有しているため、ヤンデックスの競合企業は世界規模になる。
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